彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第四章】 (ページ27)

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173話ですページ27

そしてやってきた並中の応接室。不機嫌オーラがここまでヒシヒシと伝わってくるのがよくわかる。

きっとここに入った瞬間、トンファーが飛んでくることだろう。案の定、ノックをした後に引き戸を開ければトンファーが飛んできた。もちろん私達は頭を下げたり横にそらして避ける。

ドゴォ！！

音を立てトンファーは壁にめり込む。口角を引きつらせながら投げた本人を見やれば少し笑みを浮かべていた。

「遅かったじゃない」

……もちろん、というべきかその瞳は冷えきっており1ミクロンも笑ってなどいなかった。

ふと私と目が合うと恭弥さんは少し目を見開いた。
まさか私までくるとは思わなかったのだろう。

私もここに来るつもりはなかった。けれど巻き込まれたのだから仕方ない。

突然の訪問に驚いたのか、不機嫌オーラが霧散する。

「ユキ、きてたの…？つかその格好……」

格好……といわれても結婚式でよく着るような普通の桜色のミニドレスだ。その上に白いボレロを羽織り眼鏡は外し髪飾りをしている。

「……何かおかしなところでもありましたか？」

首を傾げる私に恭弥さんは少し目をそらす。

「……そのドレスの丈が短すぎないかい。それと学校に私服での登校は認めてないはずだよ」

「すみません。着替える暇すらなくて……恭弥さんが綾に激怒してると聞いていたので」

と言ったら恭弥さんの眉がピクリと動く。霧散していた不機嫌オーラを再び放ってくる恭弥さんに綾が青ざめ慌てた。

「ちょっ。ユキ、わざわざ思い出させなくても！！」

「何言ってんですか、綾は。咬み殺されるために来たんでしょ？」

「君達が無理矢理連行したんではないですか！！それに私はエムではないから痛いのは嫌！！！」

「と、言ってますけど遥弥さんどうします？」

「知らない。とりあえず綾の根性を叩き直すという名目で戦闘不能になるまでボコ殴りにでもしちゃえば」

「あ、遥弥さん意外と酷なことを言いますね……」

「あ、でもボコ殴りにするなら屋上でしてね。ここでしちゃったら後始末が大変だから」

あ、それもそうですね。と頷く私に「なんで2人とも私が咬み殺されること前提なの」と綾が叫んだ。

「そこは普通、兄さん止めようよ！！ユキ、暴力嫌いじゃなかったの！？？」

「何言ってんですか。嫌いですよ。でも今回の行いは綾に非があります。その場合は別です」

馬鹿なのですか。という目で綾を見ると「ユキと遥弥兄さんの馬鹿ぁああ」とまた叫ばれた。