彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第四章】 (ページ22)

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168話ページ22

＿＿＿＿同日同刻・応接室。

……ユキの超直感、じゃなくてもわかるだろうが、当然遥弥は聞かれたら普通に答えることにしていた。

もうこの世界に来てからほぼ1年。3年生、つまり受験生になってしまった。…帰る努力はしているが、いまだ手がかりはなし。

トラブルには常に巻き込まれている上、家でゆったり過ごせるはずの休日を邪魔されてはたまらない。

顔には出さないが正直恨んていた。

そしてもちろん、雲雀は聞く。

「……ちょっと。これ、頼んだのは綾だったはずなんだけど。あいつ、どこにいるわけ？」

「出かけたよ。…まあ一言で言えば、サボってる」

「……は？」

そしてもちろん、遥弥はあっさりと雲雀に事実をチクった。

雲雀から、灼熱の殺気が立ち上る。

オーラが見えそうだ、と変なところで感心しながらまとめた書類を応接室のデスクの上に置く。

そして眼鏡をとって布で吹き、給湯場でお湯を沸かし始めた。

「……どういうこと？」

「友人の結婚式に出席するんだって。俺に仕事を押し付けて意気揚々と出かけていったけど？」

「……はあ？君もどうして行かせたわけ？咬み殺されたいの？」

「さすがに冠婚葬祭ってなれば、行かせないのは可哀想でしょ？」

遥弥は、綾が雲雀に咬み殺されることは可哀想だと思っていないらしい。

白々しいことである。

「……連れてきて」

「……はあ？なんで。仕事は終えたよ、もう。わざわざどうして俺が結婚式場に行かなくちゃならないわけ」

ギン！！と雲雀は凄まじい目で遥弥を睨んだ。

「……いいから、連れてきなよ」

「嫌だ。自分で行けば？」

二人の間に吹雪が吹き荒れる。

まったくもって雲雀の殺気に怯まない遥弥……だったが、やがて諦めてため息をついた。

わざわざこんなところで争うのも面倒だ、と額に手を当てる。

「……仕方ないな。じゃあ綾のことは連れ戻してきてあげる。それから思う存分咬み殺せばいい」

「……フン」

「貸し１ね。利子は高くつくよ」

再び雲雀から殺気が、今度は遥弥に向かって立ち上るが。

彼は颯爽と応接室から出ていった。