彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第四章】 (ページ16)

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162話ページ16

＿＿＿＿4月に入った。

町中の桜が咲き誇り、それらの見どころはいつも花見客で満杯。

新学期が始まるまで秒読みのこの時期、妙にテンションが高くなる人間は多いが、

それは遥弥の隣ではしゃいでいるハトコ……ということになっている父の妹(つまり叔母)である綾もその一人だった。

「何、綾。君そんなに花見が好きなの？さっきからテンションが高すぎない？」

「そりゃ、そーだよ！日本人といえば桜でしょ！」

「……そうは言うけどね、君。桜ってもともと中国から伝わったと言われてるんだよ。

もともと日本人といえば『梅』なんだよ」

「……そんなことはどうでもいいの！お花見すれば豪華で美味しい料理が食べれるでしょ！？」

そういう理由か、と遥弥は読んでいた本を置いて呆れた目をする。

「……さすが、ユキに食いしん坊将軍って呼ばれてるだけあるね、綾」

「もう、遥弥兄さん酷い！！」

ユキが頬を膨らませて抗議したが、遥弥は涼しい顔で再び本に視線を落とした。

……どうやら、彼女は今日ユキたちとお花見をするらしい。

今はどうやら10代目と獄寺、山本で場所とりをしている最中のようだ。

「で、何？ ……まさかこうやって静かに読書してる俺に向かって、一緒に来いっていうわけじゃないよね？」

「そのまさかだって言ったら？」

「1人で行ってきな」

「遥弥兄さん！」

なんでそんなに面倒臭がりなの、と遥弥の腕を引っ張る綾だが、遥弥は迷惑そうな視線の様子を変えるつもりはないようだ。

どうせ花見の料理を、または付け合せのお菓子作りをやらせる気なのだろう。

そしてそれはまさに図星だった。

「ねぇ遥弥兄さんお願いだってばー！ご飯作って！！」

「なんでこんな静かな日にわざわざ外出しなきゃいけないの……」

「ほんっと遥弥兄さんってば、喧嘩の強い引き込もりだよね！！」

「うるさい。ほっといて」

ため息をつくと、さらに綾は続ける。

「お願いだよー、なんかよくわかんないけど、兄さんも同じ場所で花見するんだって。

その時兄さんを鮮やかにあしらえるのって、遥弥兄さんしかいないじゃん！！」