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882話 ページ36

____ランボの戦いは、遥弥が想像していた以上に早く終わった。

15歳となった彼からは、5歳の彼も、小さいなりに先行する仲間達に追いつきたいという意志を持っていたということが語られた。並んで立って役に立ちたいと、そう望む気持ちは遥弥にも覚えがある。

何より遥弥は、成長した彼の頼もしい背中を知っている。彼もまた、遥弥が追いつきたい『仲間』の中の一人だった。


ならば。


「さて……次はこちらの番アルな」

「大人しく待っていてくれるとは思わなかったよチャイニーズマフィア。うちの雷を人質に取るくらいはすると思ってたんだけどね」


____これからは、遥弥がまだ若い『仲間』たちに、『追いつきたい背中』を見せなければ。


「ボンゴレの次期参謀が心にもないことを言うものではないアルよ。こちらにとってそんな無謀な行動は、百害あって一利なし。

真面目に復讐を果たしたいと願うシモンの利害とぶつかれば、いくらなんでも不利になるのはこちら、アル」

「ワオ、やっぱり流暢に喋るじゃない。とっとと腹立たしい語尾は、」


やめたら?

……そう叫ぶのと同時に、遥弥は指に嵌めたリングに白銀の炎を灯し、上がったばかりの鍾乳石のリングに掌を置いた。

瞬間、遥弥を中心として、とてつもない速さで足下が凍りついていく。大空、雲、霧、嵐の素養を適切な比で秘めている者のみが使える、第9の死ぬ気の炎。


「こ、これ……リルのだ! それからティナの……」

「そういえばティナと同じようなことができるって、あいつ言ってやがったな。あれが……」


それは擬似的に名前をつけられ、こう呼ばれる。

雪の炎。

その特徴は、“結合”。


「くっ!」


不意を着いた攻撃に。

氷に足を取られまいと、チャイニーズマフィアの幹部は上に飛び上がる。

それを見て、遥弥は薄く笑う。

……それしかないのはわかっていた。そうすることもわかっていた。だが。


(空中では、体勢が崩れる!)


向こうはこちらの手の内を知っている。だが遥弥はなんの情報もないまま過去に来て、襲撃を待つしかなかったため、どの属性に幹部がいるのかしか、わからない。

ならばまずは、手の内を探る。

同じように跳躍し、振りかぶったトンファーをうち下ろす。

それを受け止めたのは、緑の炎を灯した剣だった。

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作者名:夜野兎×さにー☆彡 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1  
作成日時:2018年10月1日 7時

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