彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十八章】 (ページ35)

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881話ですページ35

「……ランボの件についてなら聞きましたよ」

「えーーっ。なんで分かったの？」

「さあ。何故でしょうね」

これ以上、こちらの手の内をバラすのは得策ではないだろう。相手がとっておきを隠し持っているなら尚更。彼から嫌な気配は相変わらずしている。六道さんと少し似ている気配だが違う。だが、相手は幻術士で間違いないだろう。

まったく、厄介な者に取り憑かれているな、と憐みの視線を送ると、

「え、なんでオレ憐みを受けてるの？」

困惑した様子で聞いてきた。無論答えてやる義理はない。すっかり冷めてしまったサンドイッチを一口頬張る。相変わらず美味しい。食べ物に罪はないが少し憎たらしく感じる。

「まあいーや！！それともう一つニュースを持ってきたんだけど…聞く？」

「……聞かないという選択肢はあるのですが？」

「うーん。ないかなぁ。断る理由もないでしょ？」

じゃあ聞くな。と言ってやりたいが、ここは心の中で言うことにする。

「まあ、そうですね」

「うふふー。じゃあ言うけど雲雀遥弥とチャイニーズの幹部が一戦交えたのよ。まあ相手が悪かったのか、幹部はボコボコにされたわけだけど……」

「……遥弥さんが…」

「そー雲雀遥弥が。まあ苦戦を強いられたこともちょっとばかしあったみたいだけど雲雀遥弥が機転をきかして圧勝。その時の幹部の顔と言ったらちょっちばかし笑っちゃったよ」

「薄情ですね」

「そう？まあそうかもねー。だって彼らとは仲間じゃないしぃー。ただ利害が一致したってだけでお互い干渉しないしね。オレっちとしてはとってもあれがたいけどー」

「ああ、そうですか」

「わー見事な棒読みありがとう！！まったく嬉しくないけどね！！」

何故だろう。彼と接していると綾を彷彿とさせるのは。そういうキャラ作りなのだろうか。まあこちらに危害を加えなければいい。もしもの時は逃げれば大丈夫だ。

「きっと逃げられる……なぁんて思ってないよね？」

「！！」

思わずサンドイッチを食べた手が止まる。何故わかったのだろう、声には出ていなかったはずなのに。

「表情みればわかるわかる！！けど残念だねーー。君は人質としてここにいるのを忘れたかい？」

そうだ。忘れていたわけじゃない。私が逃げたらきっと彼は…いや彼らは全力でツナ達を潰しにかかるだろう。そうなったらいくらパワーアップしたツナ達でも太刀打ちできるだろうか。

「……別に。逃げませんよ」

唇を噛みしめながらこう呟くしかなかった。