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873話です ページ27

「ティナ…さん?」

『ん?何かな、ユキちゃん!』

少し首を傾げ笑みを浮かべるは、ここにいるはずのないティナさんである。何故彼女がここに。確か彼女は未来へ行った時、帰ったはずじゃ……いや、その前にどうやってここに入ってきたのだろう……?

そう思ったことが表情に出ていたらしい。ティナさんは教えてくれた。自分は生身の人間ではなく特殊な有幻覚体だからどこでもいけるのだと。

『理解できたかな?』

「ま、まあ……なんとなくですけど」

『なんとなくでも理解できたならよろし!!ユキちゃんのことは私が守るから大丈夫だよ!!!』

えっへんと胸を張るティナさん。なんと心強いことか。不安だった心が少し軽減した。ありがとうございますと感謝の意を述べるとティナさんは任せなさいと子供のように笑った。

『んで?隣の部屋にいるのって……クロームちゃんかな?』

「はい。先ほど目が覚めたらしく声が聞こえていたのですが、今は隣の部屋からあまり声が聞こえなくて……」

『なるほどなるほど。けど彼女は霧の守護者の片割れ。だからそれなりに対応できると思うけど……って言っても心配そうだねぇユキちゃん』

当たり前だ。私はティナさんがいるからいいものの、クロームさんには味方は誰一人ついていない。心配して当然である。

大丈夫でしょうかと呟く私にティナさんは大丈夫だよ、と笑った。

『今シモンはボンゴレ(うちら)が来たことによってその対応に回っている。今すぐ彼女をどうのこうのということはないんじゃないかなぁ』

「そ……ですか」

『ま。それよりもだよユキちゃん!!クロームちゃんを心配するのはわかるけど自分も捕まってるんだから自分の心配もしなくちゃ!!まあ私がいるから大丈夫だと思うけどさ!!』

「そう、でしたね。すみません」

『じゃあツナ君達が迎えに来るまで私とお喋りしてよっか!!』

「……なんか呑気すぎやしないですかね…」

『いいのいいの!!むしろ気楽呑気にいかないと疲れちゃうよ!!』

「は、はあ……」

気の抜けた返事にティナさんはふふっと笑う。その後にあっと声を上げた。

『遥弥君から連絡が入った!!』

「遥弥さんから?」

『そ!遥弥君から。ちょっと彼と話すね!!や、遥弥くん。遅かったね。先に来てるよっ』

それからティナさんは遥弥さんと少し話した後、小さく息を零しこちらをみた。

『遥弥君から伝言だよ!!……すぐに行く。特にうちの父親をすぐに行かせるってさ!!』

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作者名:夜野兎×さにー☆彡 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1  
作成日時:2018年10月1日 7時

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