彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十八章】 (ページ21)

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867話ですページ21

不思議な夢を見た。

それはボンゴレⅠ世(と初代嵐の守護者)と初代シモンファミリーのボスが出会うという内容のものだ。

何故ボンゴレⅠ世達の夢を見たのだろうと不思議に思ったところで視界が白んで見知らぬ部屋で目を覚ます。

一瞬ここがどこなのか焦るもそういえばと“あること”を思い出した。私は自分の意志で彼らの人質になったのだと。

あの時、切羽詰まった表情を浮かべながら私に手を伸ばしたツナが脳裏に浮かぶ。

「……ツナ…」

ツナは…大丈夫だろうか。いや大丈夫なはずだ。
だってツナ達には強力な見方が付いているのだから。

本音を言うなら今すぐにでもここから脱出してツナ達のところへ行きたい。もう少し欲を出すならクロームさんと一緒に。

けどそれは不可能に近いだろう。なんせパワーアップした彼らに私が敵うわけがない。それに───

「その様子だと目が覚めたようだな」

……見張りの目を欺き逃げ出すことなど出来やしない。しかもその見張り役が遥弥さんの時代からやってきたチャイニーズマフィアの幹部なら尚更。

サンドイッチを美味しそうに食している彼にああ、っと頭を抱えた。つか何故、私の目の前で食べているのだろう。

「……」

「……」

「えっと……そのおはよう、ございます……？」

「よく敵に向かって挨拶ができるな、お前。まあおはようと返しておくけど」

まさか挨拶が返ってくるとは思わず、目を見開く私に彼はジトーとした目を向けてきた。

「何。その顔は」

「……いえ。何でもないです…けど……」

「まあいいけド。とりあえずこれを食え。今日の朝食ネ」

すっと差し出されるのはタマゴサンドが二つほど入った皿だった。思わず身を引く私に彼は首を傾げる。がああっと言葉を零した。

「毒は入ってないアル」

「いや、あの、えっと……」

そこら辺の心配は確かにしてはいたが……もっと他にあるだろう。例えば……

「……何故捕虜相手に自分の朝食を分け与えるんですか？」

普通自分らが食べた残り物とかがくると思っていた私としては普通の人の朝食に拍子抜けした。キョトンとする彼は再度首を傾げる。

「何言ってるアルか。元々これはお前の朝食。オレはもう食べてきた」

「え、でも…今、食べてましたよね」

「……過剰な好奇心は時に猫を殺すというコトワザを知ってるであるか？」

無論知ってる。ってことはつまり聞くなと言うことだろうか。まあさして興味があったわけではないからいいが。