彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ9)

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637話ですページ9

「わかりました」

遥弥さんに渡されたお盆を受け取る私は設置されているダイニングテーブルへと運ぶ。オレも手伝うぜ、と輝きに満ちた笑みを浮かべるディーノさんに遥弥さんは頭を横に振った。

「客人であるディーノさんに手伝わせることなど出来ません。そこにいる綾と一緒に座っててください」

ディーノさんは部下がいないと運動能力が極端に低下する。それはリボーン先生に聞いたことだ。

今のディーノさんのそばには部下らしき姿はない。つまり、今の彼は運動能力がかなり低下しているはずだ。

もしここで手伝わせたりしたら大惨事になることだろう。

遥弥さんの遠回しな戦力外(？)通告に、ディーノさんは気付いていないようだ。申し訳なさそうな顔でなんか悪いな、と言って綾を引き連れ椅子に腰を下ろした。

それにホッと息を吐けば突如大食堂の自動ドアが開く。どうやら誰かが起きてきたらしい。

そちらに目を向けると悠弥がいた。

「悠弥、おはようございます」

「ん。おはよう、母さん。京子お姉さん達もおはよう」

悠弥の挨拶にみんなは笑って挨拶を返す。そんな中で綾がニヤニヤとして悠弥を見つめていた。

「遅かったじゃないの。何？二度寝でもしてたの？」

彼女の態度に悠弥は眉をひそめた後、頭を横に振る。

「貴女のことを探してたんだよ。起きたら隣にいないからどこに行ってるかと思えば……綾さん、草壁さんが作った朝食が父さんのアジトの方にあるってのにこんなところで何してるわけ？」

「し！！悠弥しーーっ！！」

人差し指を唇に当てながら慌てる綾に近くにいた遥弥さんが「へえ」と少し笑みを浮かべる。

「草壁さんが作った料理……？どういうことだい？悠弥」

綾を問いただすより悠弥に聞いた方が効率的と判断したのか遥弥さんは尋ねる。その問いに悠弥は肩を竦め「言葉の通りだよ」と答えた。

「本当、食い意地張ってるよね」

「悠弥！！少し黙ろうか！！ね！！」

「君は朝に二食分とるつもりだったわけ？」

「あ、いやぁ、あはは……ほ、ほら朝はしっかり食べなきゃってよく言うじゃない！！」

「綾、開き直りましたね」

「うん。開き直った」

「そうだね。開き直ったね」

「さ、三人共うるさい！！だって草壁さんの作る料理は途轍もなく美味しいけど足りないんだもん！！仕方ないじゃない！！」

……あ、逆ギレした。

まあ綾の対応は悠弥と遥弥さんに任せるとして、笹川さん達が盛り付けた料理をテーブルへと運んだ。