彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ7)

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635話ですページ7

ティナさんの言葉に目を丸くするディーノさんだが、「なるほどな」と納得した表情を浮かべた。

「通りで強ぇし、歳の割には聡明なわけだ」

『年の割には、は余計だよ』

とティナさんは年相応な笑みを浮かべる。がその瞳は全くと言っていいほど笑ってはいなかった。

サアァ、と青ざめるディーノさんはす、すまねぇ、と頭を下げて謝罪する。

ディーノさんの謝罪にティナさんは「よし許す」と言った。

「けど歳についてまた話題に出したら、許さないからね。もちろんツナくん達もだよ？」

前にも言ったけどね、と笑うティナさんに私達は何度も頷いた。彼女から発する威圧感を感じたからだ。

これは怒らせるとかなりやばい。

　＊＊＊

翌朝。いつも通り大食堂を訪れるとイーピン、笹川さん、三浦さん、遥弥さんの他に珍しくクロームさんがいた。

「あ、ユキちゃん！！グッドモーニングです！！」

「おはよう、ユキちゃん！！」

「おはよ。ユキ」

「え、えっと。あの……お、はよ…ございます」

それぞれがそれぞれの挨拶をする中、私はおはようございますと挨拶し返した。

「クロームさんも手伝ってくださるなんて……今日は早めに朝食ができそうですね」

「そうだね。ちなみに今日の朝食は昨日から仕込んである煮豆と目玉焼き、サラダ、味噌汁、白米だよ」

「煮豆、ですか」

確か煮豆って8時間ぐらい煮込まないと作れないもの、のはずだ。夜通し火をつけっぱなしだったのだろうか。

眉を寄せる私に遥弥さんは心境を察したのか「流石に火をつけっぱなしにはしてないよ」と言う。

「味付けした煮豆を一晩寝かせたのさ。そしたら味がかなり染み込むだろうし」

「そうですか。ならいいんです」

「……それと、綾。その手に持ったものを渡して」

ビクゥっといつのまにか冷蔵庫を開け何かを持っている綾の方が跳ね、サッと後ろに隠す仕草をした後ににへらぁっと笑う。

だが私にはわかる。彼女の目がかなり泳いでいることを。そして話をそらそうと何か考えていることを。

「や、やあ遥弥兄さんにユキ達おはよ！！良い朝だね～」

「そうだね。その手に持ったものを渡して」

「な、何を言っているのかな、遥弥兄さんは！！こ、これは私の部屋にあったおやつを冷やそうとだね！！」

「綾、嘘つかない方が身のためですよ」

貴方の嘘はわかりやすいから。

「ユキまで！！ほ、本当だもん！！嘘なんてついてないもん！！」