彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ48)

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678話ページ48

「ちゅ、中国人……？」

予想外の名前の響きに驚いたのか、10代目が戸惑うように目を瞬かせる。

そして瞬時にそれをどういう意味か悟ったユキと悠弥、それから綾は少し青ざめながら唇を引き結んだ。

箔(はく)李儒(りじゅん)。チャイニーズマフィアの三人いる最高幹部のうちの一人だ。

属性は雲と雨。会長が大空と霧、副官が嵐、そして残りの二人が雷、晴の属性をそれぞれ有している。

彼らも上層部にはボンゴレやミルフィオーレと同じで、全ての属性がいるのだ。

「……喧嘩を売って来てくれるね」

『あーあ、だいたいは潰したと思ってたけど、幹部がほとんど集結してるじゃん。

……遥弥くん、結局これは出ないわけにはいかなかったねえ』

「はい。大空の属性が出たのは僥倖でした」

「たとえ雲が出ても、出番は雲雀恭弥に譲らなかったわね、私も」

ティナと遥弥、恭香の周りの温度が下がった。

遥弥の変わり身の早さと三人の殺気に怯んだらしい10代目は、何があったのかとばかりにおたおたしている。

「奴ら、人員には困らないってわけか……」

「卑怯な」

顔をしかめるディーノとバジル。

白蘭はその鋭い視線を受け流すと、「それじゃあいよいよ一番大事な、勝敗のルールだけど」と切り出した。

「数あるチョイスのルールの中から、最もシンプルかつ手っ取り早い……ターゲットルールでいくよ」

「た、ターゲットルール、ですか？」

「要するに騎馬戦みたいなもの、ってことだよね、正一お兄さん？」

「その通りだよ。敵のターゲットを倒した方の勝ちだ」

『騎馬戦は言い得て妙だねー！』

さすがユキちゃんの息子！とティナが笑顔で手を叩く。

そこを『恭ちゃんの息子！』とほめないあたり、よくわかっている。

「そして、そのターゲットは既にチョイスされてる、って訳だね」

「その通りさ♪」

ボードの属性に炎が灯っている者がターゲットとなる。

ミルフィオーレはデイジー、ボンゴレは無属性からそれを選ぶわけだが。

「……不正の臭いがぷんぷんするね」

「遥弥兄さん？ど、どういうこと？」

ミルフィオーレ側に聞こえないように呟いた遥弥の言葉に、綾が瞠目する。

『あーあホントだ。これは勝つのは難しそーだね。だってデイジーくんだもん、相手のターゲット』

「不正の証拠はどこにもないけどね」

あの男はほぼ不死身だ。勝利を手にするのは至難の業だろう。