彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ42)

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672話ページ42

「そっちの金髪のちびっこも守護者なの？ボンゴレって人手不足ー？」

『金髪じゃなくて、プ・ラ・チ・ナ・ブ・ロ・ン・ド！そこはこだわりあるから、間違えないでね！』

びっしい！と勇ましく指を突きつけるティナに、ブルーベルは興が削がれたというように、上げかけた手を下ろす。

満足げに微笑むティナに、そこかよ、その場にいるほぼ全員が感じた瞬間だった。

「ブルーベル。白蘭様の楽しみにしていたお祭りです。ゆっくり楽しみましょう」

「にゅにゅ……」

不満そうに眼をそらしたブルーベルが黙り込み、青緑色の髪の男……桔梗がこちらに目を向けてくる。

一気に緊迫した空気の中で、雲雀が警戒を見せるようにトンファーを構えた。

「どうやら私と同じ雲属性の守護者は、学生服の君のようですね。私は桔梗。お見知りおきを」

「御託はいい。すぐに始めようよ」

「ちょ……恭弥さん！」

慌ててユキが止めようと手を伸ばすが、先に白蘭が「だからだめなんだって！」と笑顔で告げた。

眉をしかめる雲雀を見てから、これはチョイスなんだと一つの器具を取り出す。

「まずは次のチョイスを始めなきゃ」

「遥弥兄さん、な……なんだろう、あれ」

「ルーレットだよ。恐らく出場者を決めるものだ」

遥弥の言葉に、綾が緊張したように顎を引く。

中央に歩んできた白蘭がルーレットを掲げると、空中にホロスクリーンとして二つの映像が浮かび上がる。

「これは……七つの属性のマークが並んでますね。やっぱりルーレットで誰が出るのかを決めるのでしょうか」

「そうだよ、ユキちゃん」

にっこり笑って頷いた白蘭に、ユキが警戒したように身を引いた。

雲雀が不機嫌に顔を歪めた。極めて気軽に彼女の愛称を読んだことに対するわかりやすい嫉妬だが、

ティナはツボにはまったようで、必死に笑いを堪えている。

悪趣味だ、と遥弥は苦い顔をした。……彼も人のことを言えた立場ではないが。

「綱吉クン。リングをはめた手を歯車の側面に当てて。ほら、こうするんだ」

「こ、こう？」

恐る恐る歯車に手を当てた10代目が、そっと白蘭を見上げる。

彼は頷くこともせず、ただ言葉を繋げる。

「チョイスの掛け声で歯車を右に回すよ」

「え？ちょっと待っ、」

「チョイス」

勝手に回った歯車に、慌てたような声を漏らす10代目。

ティナが苦笑している。これでは回し方で不正し放題だ。