彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ5)

今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:9,570 hit

633話ですページ5

ティナさんの言葉にツナは言い返すことができないのか、すみませんと項垂れる。額に灯っていた死ぬ気の炎はいつのまにか消えていた。

私達は危険性がないと判断して慌ててツナに駆け寄る。心配そうな顔をしていたのがツナにも分かったのだろう。みんな、ごめん。と眉を下げ申し訳なさそうな顔をして謝った。

「今のはやはりツナの匣兵器なのですか？」

私の問いにツナはコクリと頷く。

「普通に炎を注入したつもりなんだけど…いきなりあんなものが飛び出してきて」

眉を寄せつつ、ハァっとツナはため息を吐いた。その瞳はほんの僅かだが怯えを感じる。

「ですが可笑しいです！匣は全て地球上の生物を模しているはず！」

バジルさんの言葉に獄寺さんはハッとした。そしてまさか、と言葉を零す。

「入江の奴が不良品を！！」

「そんなぁ！？」

いやそんなはずはない、とは思う。だって彼は私達の味方のはず。

じゃあなんでツナの匣アニマルは主であるツナに牙を剥いたのだろうか。何かしら理由はあると思うが。

「いいや。今のはツナが悪いぜ」

ボオッ！！後ろから聞こえるは何かが燃えている音だった。ふと振り返れば馬にまたがっているディーノさんがいる。

「あれはお前の匣兵器の本来の姿じゃない。特に大空の匣はデリケートなんだ。こんな開匣を繰り返していたら使い物にならなくなるぞ」

よく見れば全ての足、尻尾、そして鬣がオレンジ色の炎が灯っている。なるほど、あれは大空の匣兵器か。

「元気にしてたか？弟分、妹分」

「「ディーノさん！！」」

私とツナの声が揃うとディーノさんはぷはっ、と笑みを浮かべた。

「相変わらず息ぴったりだな、お前らは。にしても10年前のお前らは本っ当にガキだなっ」

あははっと笑うディーノさんに獄寺さんが何！と反応する。そういえば獄寺さんにとって年上はみんな敵…とかなんとか言っていたような気がする。

一人一人の顔を見ていたディーノさんがふ遥弥さんを見て固まった。

「んなっ！？？な、なんでおまっここに！？？」

あれ？さっき別れたはずなのに！？？と目を丸くしているディーノさんはハッとする。

「ああ！！そうか、お前が遥弥とかいうやつか！！一瞬恭弥がここにいるのかと思ってビックリしたぜ」

「いや、もし兄さんがここにいたら全員咬み殺されるからね」

「おっ？綾じゃねーか。久しぶりだなぁ！！ん？悠弥までいんじゃねーか。元気にしてたか二人とも」

「……お久しぶりです。ディーノお兄さん」