彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ39)

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「てめーら、おせーぞ！」

遅刻した山本さんと恭弥さんに怒りを滲ませた声で言い放つ獄寺さん。そんな獄寺さんに山本さんと恭弥さんはそれぞれ、らしい言葉で返す。

恭弥さんの一言に同意するように背後にいる彼の匣アニマルがキュッと鳴くと獄寺さんは舌打ちをした。

「だが沢田、よく来ると分かったな！！」

「…いや。わかってたのは全員揃わなくては白蘭には勝てないということだけだ」

とツナは笹川先輩の問いに答えると近くにいるリボーン先生はニッと笑う。

確かにツナの言う通りかもしれない。
私達だけじゃまだ未熟で彼らには勝てないだろう。

それに白蘭が言っていた。本番で困るのは私達だと。どうもこの言葉に引っかかる。

「でもだからって遅刻は良くないと思うよ～兄さん」

綾の言葉でハッとした。ふと綾を見ればはぁ～～っと溜め息を吐いている。そのわざとらしく溜め息に恭弥さんの睨みが飛んだ。

けれどこの時代の恭弥さんの睨みに慣れているからか、綾は飄々とした表情で山本君もね。と笑っている。

「おう、本当わりーな！」

「うんうん。爽やか笑顔で謝っても気持ちがこもってない気がするけどね！！」

あはは、と笑い合う山本さんと綾(両者)。片方の口角が引きつっているのに対しもう片方は目が笑っていない。

もう、放っておこう。あの二人は。

遥弥さんや悠弥も手を出すつもりはないのか傍観に徹しちゃってる。……その表情は呆れ気味だが。

「じゃあさっそくチョイスを始めよう」

ニイッ、と白蘭の唇が怪しく弧を描く。ツナが返事をすると「まずはフィールドの〝チョイス〟をするんだけど」と白蘭の顔の一部から無数のカードが現れた。

「君達のその素晴らしい炎を称えてフィールドのチョイス権は君達にあげよう」

そのカードはツナを囲い、ゆっくりと動いている。ニコッと笑う白蘭が正チャンからチョイスのルールは聞いてるだろ？とツナに尋ねた。

「チョイスとは選択のゲーム。戦うフィールドと戦士を最初にチョイスしなければ始まらない。人の持つ運命によってね。

さあそのカードを一枚引くんだ、綱吉君。それが君自身の〝選択〟だ」

「しかし敵の作ったカードでは…」

ジャンニーニさんの言葉に一理ある。もし、これを引いて私達が不利になるような選択だったら……

「大丈夫！」

そういった不安が私の脳裏によぎる。眉をひそめる私達に入江さんは堂々と叫んだ。

「白蘭サンはチョイスでだけは不正をしない男だ」