彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ37)

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手を振ってアピールする彼女に白蘭は少し考えた後に、ま、いいやと余裕綽々の笑みを浮かべた。

考えるのを放置したのか、それともティナさんを戦力外と考えたのか……どちらにせよ、話をそらしたのは確かだ。

「話を続けるけど転移装置を使うにはまだ半端ない炎圧が必要でね、その炎は君達に自分で用意してもらうのが筋だと思うんだ。

いわばチョイスに参加するためのチケットってわけさ」

「そんなの一方的すぎやしない？」

「そうだ！！綾姉の言う通り、一方的すぎる！！」

「X BURNER20発不満の炎など簡単に用意できっこない！！」

抗議に出る綾達に白蘭は笑みを深めた。待ってましたとばかりに白蘭は笑みを崩さずに、結界を張らずにその場で炎を灯してくれれば装置が拾ってくれるから、と言う。

「あ。脅すわけじゃないけど、もし出来なかったら僕は君達に失望してこの街を…こうしちゃうかもね」

彼の目から放たれた光線は並盛の北山に着弾し、大きな爆発を轟かせた。

「幻覚じゃねーのか？」

「……わからない」

術師であるクロームさんが獄寺さんの問いに答える。幻覚であろうがなかろうが、今の攻撃は私達に大きなダメージを与えた。

ツナは青ざめた表情で「なんてことを」と掠れた声で一言。光線を放った本人、グルグルと頭を回しゴメンゴメン、と軽い感じで謝ってくる。

「顔が滑っちゃった♪」

「……滅茶苦茶だ…」

隣にいる悠弥がキュッと私の手を掴む。その手は微かに震えていた。珍しい……悠弥がここまで怯えるなんて。あの恭弥さんでさえ、怯えなかった悠弥が。

「確かに世界を恐怖で支配する素質ありってとこだな」

『そうだねー』

うんうん、とリボーン先生と言葉に頷くティナさん。その表情は余裕そのもので、恐怖なんて感じられなかった。さすが遥弥さんの師匠だけはある。

「さあ早く炎を搾り出してごらんよ。約束の12時まで後少ししかないんどからさ、僕から照射される光がなくなったらゲームオーバーだからね」

白蘭の頭上に00000000FVと書かれた表示が現れ、空から光が照射される。その照射は1秒経つにつれ徐々に狭まった。

「さあおいでってば」

ニコニコと笑う白蘭にピクリとツナは反応する。けれど匣を開匣する動作を見せないツナにビビったのかと白蘭は煽る。

「だって…まだ全員揃ってないし」

「へえ。ルールを重んじてくれるのは嬉しいな。でも僕には500万FVを出せない言い訳に聞こえる」

光の照射は既にツナの顔辺りまで狭まっていた。