彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ36)

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666話ページ36

『あーうん……それはどうだろ』

何せあの白くんだからねえ、とティナが唇を歪めたその時だった。

スパナが「お」と軽く目を見張り、レーダーに反応があったことを皆に告げた。

「ん……おかしいぞ。とっくにウチらの位置と重なって……」

「それなら決まってる。上だね」

遥弥の言葉に、弾かれたように全員が上空に目を向けた。

空で渦巻く巨大な雷雲に、ユキが呆然と「これは……」と呟く。

そして次の瞬間、雲が割れたと思ったら、巨大な白蘭の顔が浮き出てきた。

「元気そうじゃん、綱吉クン♪」とのたまう白蘭に、10代目が一気に青ざめている。

少し離れたところで腕を組んでいた恭香が、吐き捨てるように言った。

「……相変わらずの趣味の悪さね」

「不本意だけど同感だよ」

苦い顔で姉の言葉に頷いてから、遥弥は再び空を見上げた。

どうやら巨大な装置であるらしいその顔は、どうやら移動手段のための装置らしい。

瞬間移動装置なんて、夜の炎を用いでもしなければこの時代にあるなんておかしい。

どう考えてもオーバーテクノロジーだ。恐らく白蘭の能力でかき集めた技術によるものだろう。

「つまり戦場は、ここではない……ということですね？」

「うん、そのとーり♪ ボンゴレ10代目の姉君は慧眼だねえ！

ただし知っての通り、この転送装置はただでは作動しなくてね。

君達に今日のチョイスに参加する資格があるかどうかを試す役割も兼ねてるんだ」

ズバリ500万ＦＶ！と白蘭は愉しげに言った。

「それが君たちをチョイスの舞台に招待するために必要な炎圧なんだ！」

『なるほどねえ。参加チケットってことかあ。X BURNER20発分の炎なんて、そう簡単に集められるもんじゃないしねー。

それに条件を満たしてないで500万ＦＶを集めてもどーせアウトなんでしょ？

たっくんと恭ちゃんがまだ来てないっていうのも、そっちの示した条件にあってないしね』

立場が弱いのは、これ以上の攻撃を仕掛けられたら困るボンゴレ側だ。

どれだけ向こうが理不尽な要求をしてこようと、飲まなくてはならないのだとティナは嘯く。

「んん？君は……？」

『あー、気にしないでいーよ。私は皆のただの口添え役、ご意見番的な存在だからー』