彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ30)

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660話ページ30

「スクアーロ！」

げ、と顔を歪める遥弥の前を通り過ぎ、スクアーロが手にした巨大なマグロをディーノに押し付ける。

なぜにマグロ、とみんなの心が一致した瞬間だった。

『おっ、私はいらなくなったっぽいねえ。ざんねーん』

「遅かったな、スクアーロ。生徒がお待ちかねだぜ」

「え？ティナ、どういうことだ？

も、もしかしてよ……オレの修行の家庭教師って、」

……ガッ！！

しかし肉弾音とともに、言いかかった山本の言葉は物理的に遮られた。

ドゴ、ドガッ！と続いていく音に、守護者全員が蒼白になって「山本！」と叫ぶ。

ティナだけは面白そうに『おーおー熱烈じゃーん』と言って笑っているが。

「まったく、殺してやりてぇぜ」

殺しやがったのか、という獄寺の問いに不機嫌にそう答えたスクアーロは、気絶した山本を肩に担いで吐き捨てた。

「このカスは預かっていくぞお」

「ええ！？そんなこと、」

『ここはスクアーロくんに任せた方がいいよ、ツナくん』

「ああ。山本のことはオレたちよりわかってる」

10代目だけじゃなく、ユキも「そんな……」と悲痛な表情になる。

めちゃくちゃだ、と呟く彼に、不意に了平が「沢田」と呼びかけた。

……そして、振り向きざまに拳を一閃。

顔面を殴られた10代目は吹き飛んで、頭を打ち付けた。

ユキが「ツナ！」とさらに真っ青になる。

「やはり京子を巻き込んだことは許せん……だがオレも男だ。この一発で前に進むことにする！」

「てめーよくも10代目に！ぶっ殺してやる！！」

一気に騒然とし出したブリーフィングルーム。

遥弥は頭が痛いとばかりに額を押さえるが、ティナは満足そうだ。

『今日はいろんあもやもやが一気に爆発した、ひどい一日だったね。でもきっとここから何かが変わるよ。

自分のすべきことをやって、それぞれが一つの方向に噛み合う……きっと決戦の日を迎える頃には、修行はきっと完璧に仕上がるよ』

＊＊＊

『…………なんて、言うと思った？』

「…………」

遥弥たちの『事情』を知る人間しかいなくなったブリーフィングルーム。

椅子の上にふんぞり返って座っているのは、年齢詐称の美少女、フィオレンティーナ。

『そう、彼らは確かにきっと仕上がる。でも遥弥くん達はどう？

何にも考えてないよね、敵を倒す方法。ほらどうすんの？彼らは襲撃を躊躇しないよ』