彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ23)

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「気持ちは嬉しいんですけど……ハル達だって力になりたいんです。それを一方的に決める権利はツナさん達にはないと思います」

三浦さんの言う通りだ。うんうん、と二度と頷くとビアンキさんも同じ考えなのか「その通りね」と返す。

「男は身勝手で非合理だわ…でも私達女の想像を超えて男はプライドに命をかけるものなの。

むしろプライドに命をかけられない男は男じゃないわ」

あの人だってそう……とビアンキさんは誰かに想いを馳せる。これはしばらく惚気話が続きそうだ。

「…お先します」

どうやら上がるらしい。クロームさんは立ち上がり近くにある自分のタオルを手に取った時、背中にある傷に気付いた笹川さんが目を見開いた。

背中どうしたの！？と尋ねる笹川さんにクロームさんは何を言われたかわからない表情を浮かべたが、それは一瞬で「今日の修業の傷」と答える。

「でもボス達に比べればずっと少ないと思う」

そういうとクロームさんは大浴場を出て言ってしまった。彼女の後ろ姿を見送る笹川さん、三浦さんは少し俯いた後、二人声を揃え互いの名前を呼びあう。

「「あ……」」

シンクロしたことに二人は顔を見合わせて同時に笑った。

「男のプライドなんてハルにはナンセンスで全然ついていけませんけど…」

「……一時休戦しようか」

そう結論付けて笑い合う笹川さん達に私も笑みをこぼしているとビアンキさんに名を呼ばれた。

「ユキ、ちょっと良いかしら？」

「……はい？」

　＊＊＊

「ツナ！！」

翌日。部屋から出てくるツナを見つけた私は慌てて声にかけにいく。

「あ、ユキ……どうしたの？」

キョトンとするツナの声を遮るように「大変です！！」と告げる。

「笹川さんがアジトを飛び出しました！！何も教えられないこんなところにいられるかって！！」

目を見開くツナは「何だって」と叫ぶ。

「今ならまだ間に合います。急いで追ってください。笹川さんは街に向かいました！！」

「わ、わかった！！ジャンニーニ、ハッチを開けてくれ！！」

慌てるツナはジャンニーニさんにそう命ずるとそのまま走って行ってしまった。ふぅ、と息を吐く私は後ろを振り返る。

「これでいいですか？ビアンキさん」

「ええ。ありがとうユキ」

にっこりと笑うビアンキさんに私は苦笑を浮かべる。全く、ビアンキさんも悪いことを考える。

買い物に出た笹川さんを、アジトを飛び出したと言ってツナに追わせるだなんて。