彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ21)

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こうして始まるボイコット生活。笹川さんと三浦さんは宣言通り彼らに対して家事の一つもしていない。それはもちろん、家事の鬼遥弥さんもだ。

笹川さん、三浦さんは早々にツナ達が根をあげると思っているのだろう。余裕そうだ。

けれどボイコット生活を始めてから、3日が過ぎた辺りから、彼女達の表情は次第に曇っていく。

彼女達はなめすぎなのだ。男の意地とプライドとやらを。……女である私が言うのもなんだが。

そして今日はボイコット生活○日目の夜。お風呂に浸かる私は、スポンジを持ったまま手を止めている笹川さんが視界に入った。

その表情は相変わらず曇っており、心配そうな顔をしている。彼女はきっとツナ達のことを考えていることだろう。その証拠にお兄ちゃん達と呟く。

「昨日はカップ麺みたいだったけど…今日は栄養のあるもの食べてるかなぁ…？」

笹川さんの問いにわしゃわしゃと両手で髪を洗う三浦さんは口を尖らせる。

「ツナさん達が本当のことさえ教えてくれれば飛んでいってごはん作るんですけど…」

ツナラブである三浦さんがそういうのだ。言葉の通りに彼女は秘密にしていることを話せばとんでいくだろう。

すると三浦さんの隣にいるビアンキさんが「まあ」と頭にお湯をかけ泡を落としながら声を零す。

「あなた達はツナ達がすぐに降参すると思っていたみたいね。私はそう簡単にはいかないと思うけど……理由は二つね。

一つはあなた達に変わって欲しくないのよ。秘密を知ればあなた達は今までのあなた達とは違う人間になるわ」

確かに。真実を知る者と知らない者。たったそれだけで人の見方というのは変わるものだ。

「それを恐れてるの。気になる相手なら尚更ね」

髷を結い、私とクロームさんが入っているお風呂に足をつけお湯加減を確かめるビアンキさんはそのまま、中に入った。

「気になる人がいつまでも変わらないなんて男の幻想にすぎないんだけどね。もう一つは……」

「意地、ですよね。ビアンキさん」

「ええ、ユキ。その通りよ。あの子達は女は男が守るものだと思ってるの…あなた達に禍々しい世界を見せないことに男のプライドをかけているわ」

変なところで意地はってないで言えばいいのに。女はツナ達が思っている以上に強い。それを彼らは理解していない。

女は男が守るもの、という考え方は今すぐやめるべきではないだろうか。古いと思う。

三浦さんは少し考えた後、口を開いた。