彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ3)

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「は～～～！楽しかった！！」

恭香さんが爆発寸前で歓迎会を終わりにした私達は、飾り付けや盛り付けた皿などの片付けを済ませ、寝室へと戻ろうとしていた。

眠そうに目をこすっている悠弥に対し、目を輝かせる綾はんーっ！っと伸びをする。

そんな綾に私は「よかったですね」と流し気味に返す。まさかあの殺伐とした歓迎会を楽しいと思えるのは綾ぐらいだろう。さすが楽しいことが大好きな変人なだけはある。

「ユキ、今変なこと考えなかった！？？」

「さあ。なんのことでしょうね。っと悠弥？大丈夫ですか？」

フラフラとした足取りで一歩一歩踏み出す悠弥に声をかければトロンとした瞳をこちらに向けた。

「ん……へーき。へやまでなら……なんとか」

「悠弥、呂律回ってないぞい」

おぶってやろうか？と綾が悠弥の顔を覗き込む。けれど悠弥は嫌そうな顔をして首を横に振った。

「いらない。あやさんに任せるぐらいなら……じりきでいく」

「あっそ！！」

せっかく心優しい綾さんが運んであげよーかと思ったのにぃとぶうたれる綾に私は思わず苦笑する。こんな悠弥でも一応プライドというものはあるらしい。

「そろそろ部屋につきますからもう少しの辛抱ですよ、悠弥」

「ん……がんばる」

「ちぇっ。ユキの言うことはちゃんと聞くんだよね、悠弥はっ！！」

「だって母さんだか……」

悠弥が何かを言いかけた、その時だった。ドオっという爆音と同時に地面が大きく揺れたのは。

「うおっ！？？な、なんだぁ！？？」

「……今の音、上の階からだ」

「行ってみますか？」

「あー。別にいいけど悠弥はおネムの時間では？」

「綾さん馬鹿にしてるの？今の爆発音のおかげで眠気が吹っ飛んだよ。僕も行く」

「でももしかしたら危険があるかもしれないし」

「そうかもね。君達だけじゃ心配だし俺も行くよ」

「え？ホント！？わあ、遥弥兄さんがいてくれれば百人力だ……ね？」

綾がピシッと固まった。そして恐る恐るといった感じに振り返るとバッとそこには腕を組む遥弥さんの姿。

気配もなく現れた彼に綾は目を見開いて一歩、二歩後ずさった。

「な、なな、なんで遥弥兄さんがここに！？？」

「明日の朝食の仕込み」

「あ、そ、そうなんだ……ちなみに明日の朝食は？」

「明日になってからのお楽しみ」

本当食い意地だけは立派だ、と言いたげな表情を浮かべる遥弥さんに綾は勿体ぶらなくてもいいのにぃと口を尖らせた。