彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ20)

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650話ページ20

『綾ちゃん、でも私たちが悪いかもしれないよ。

……ごめんなさい、京子ちゃん、ハルちゃん。邪魔するつもりじゃなかったんだ。お話どうぞ』

先刻の話し合いで本性が見え隠れしたティナだが、まだ猫かぶりは続けるらしい。

それとも本当に謝意があるのかもしれないが、とにかく彼女はしおらしく謝ってみせた。

結果的に『共犯』に仕立て上げられた綾は、腑に落ちないような顔をしている。

「ツナ君。私たちも一緒に戦いたいの！」

「京子ちゃん……」

強い意志を宿す瞳に圧倒されたのか、10代目が困ったように視線を辺りに彷徨わせる。

しかし彼もこのことだけは譲れないのだろう。視線は気まずげに逸らしたままだが「気持ちは嬉しいけど」ときっぱり告げた。

「本当にもうすぐなんだ！もうすぐ何もかも終わって元の世界に帰れるから……、

だからオレ達を信じてもう少し我慢して……くれないかな」

京子とハルが黙り込む。

遥弥もそれが妥当な決断だとは思うが、もちろん彼女たちも生半可な覚悟でそれを問うたわけではない。

真剣な表情、低い声で「わかりました」と呟いた。

「では、私たちもそれなりの処置を取らせて頂きます。

ツナさんたちが真実を話してくれるまで、ハルたちは家事をしませんし！」

「共同生活をボイコットします！！」

『秘密反対』『情報の開示を』と書かれたプラカードを掲げた二人が、叫ぶように言う。

おおー！とティナが感嘆の溜息を洩らした。おそらくよくできたプラカードに感心したのだろうが、今はそこではない。

「悪いわね、ツナ。私はこの子たちにつくわ」

「私も……ボス、ごめん」

「イーピンも！！」

女手が一気に離れたことを知ると、「そんなあ！」と真っ青になる10代目。

私たちも京子たちにつくわ、修行しっかりね、と勝手にのたまう女装男子勢に対して、「ずるいぞお前たち！」と叫んでいる。

「遥弥さん……、」

「俺を頼ろうと思わないことだね。遅かれ早かれこういうことになることはわかってたんだ、少しはよく考えな」

「で、でも」

遥弥さんも男子ですよね、と震え声でいう10代目を、諦めろという目で見る遥弥。

「俺が君たち側にいたらボイコットの意味がないでしょ。

俺は自分のことは自分でやるけど、君たちの世話はしないからね」