彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十四章】 (ページ12)

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640話ページ12

「よし、それじゃあお前ら、朝食のあとはトレーニングルームに集合な。いろいろな説明がある」

食事が終わる者が出始めたあたりで、思い出したようにディーノが言った。

いろいろな、というと匣兵器についての修行の説明だろう。

それを悟った遥弥は、ティナの方を窺い見た。参加するべきか、と視線で問う。

すると彼女は煮豆を口に放り込みながら言った。

『遥弥くんはどっちかっていうと師匠ポジションかな。マネージャーっていうか、サポーターっていうか。

守護者たちの修行の相談に乗る係』

「は、何それ……」

『それから恭香ちゃんとの組み手と私との修行ね』

ここで遥弥と一番実力が近いのは、雲雀でも10代目でもなく、姉である恭香だ。

なるほど、と頷く。納得できることだが、それが満足かと聞かれればまた違う話である。

二人の確執はとても深い。仲が悪いので組み手なんてしたら、手加減なしの殴り合いになる。

しかし、少し離れた席でお茶を飲んでいた恭香が、不満げに「ティナお姉様！」と叫んだ。

ティナはいい笑顔でなぁに？とばかりに首を傾げる。

「ティナ……『お姉様』？」

「ティナちゃん、子供……ですよね？」

怪訝そうに首を傾げた京子とハルに、ユキは『まずい』と身を乗り出した。

だが、あくまでも恭香は冷静に返した。

「……ああ、それは気にしないでいいのよ」

「そ、そうなんですか？」

「ええ」

そんなわけないだろ、と遥弥は心の中で呟く。声にすると面倒なので言わないが。

ユキを含めた3人も同じことを思ったのか、生暖かい目をしている。

『それから、遥弥くんちゃんと論文書いてある？

時間だけはたっぷりあるんだから添削してあげるけど』

その言葉に、遥弥は訝しげな顔になった。

そして、『まさか』と呟くティナに、遥弥はふ、と口角を上げる。

「フン、書いてあると思います？」

『これもサボってるのか……』

ほんと、遥弥くんって強制力がないとやることやらないよね、とティナが肘をついて苦く笑う。

そもそもせっかく、仕事や研究から離れられるのに、論文なんて書くはずがない。

わかってるじゃないですか、と遥弥は皿を片付けるために立ち上がった。