桃×喘息 ページ19
▶︎アニバーサリーは大切な日。
1月。寒い季節。
俺にとって宿敵で。
なぜかというと、乾燥による喘息を起こしやすいんだ。
だからこそ、ケアは入念にしていたんだ。
有難いことにデビューから2年経ってもお仕事が沢山で、1月はお休みをもらえたのは元日とその次の日だけだった。
そして明日は、都合により叶えられなかった
2年越しのデビュー配信の日。
ファンのみんなにありがとうを伝えられる日。
忙しいけど、こんな嬉しい未来誰が想像できたかなって
冷え切った体を湯船に入れながらぼーっと考えていた。
、
、
、
、
sk「、、、さむっ！」
体の冷たさで目を開ける。
物思いにふけていたらいつの間にかお風呂で眠ってしまったらしい。
sk「、、、クシュンッ」
うわ、やばい。これ風邪ひくな。
俺は体が意外と繊細だから。いつもと違うことをするとすぐ不調に出やすいんだ。
そんな体をあっためるようにもう一度熱いシャワーを浴びて
普段、喉のケアのためにつけない寝室の暖房をつける。
sk「、、、今日は、、いいよね、、、体あっためないと、、」
この判断が間違っていたんだよな。
ーーーー
「ゲホッゲホッゲホッ」
息苦しく目覚めた朝。
「、、、、ゲホッ、、ヒュッ」
呼吸ができない、、、、
「ウッ、、、、ゲホゲホッ」
息を止めて咳を我慢しても止まらない咳。
冷えた体で弱った体に暖房からの悪い空気を吸ってしまったせいで、喘息の発作が出ていた。
「、、なにやってんだよ、、、、ゲホッ」
自分の不甲斐なさに呆れながらも
吸入器を一回吸って咳を落ち着かせる。
「ふぅ、、」
堪えられない咳ではない。
みんなが楽しみにしてた生配信を台無しにするわけにはいかないから。
ザラザラする胸を抑えて、ふらふらする体を奮い立たせて車に向かった。
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作者名：澪 | 作成日時：2021年11月25日 4時
