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第23話 ページ24

煉獄杏寿郎side







「これが、俺の妻の話だ」

俺が話し終わった後、その場の雰囲気は暗くなっていた。

しまったと、思ったが、一度話してしまった事を取り消すことはできない。




駄目だな。

俺はいつも、やってしまった後に気付く。

それでは遅いと理解しているつもりなのに、だ。









あの日だって、Aがどこかに残っているのではないか、と必死に雪の中を探し回ったものだ。

辺りを見回しても残るのは血痕ばかり、忌々しいその光景は忘れようとしても、忘れられない。









「せめて、俺が殺してやれば良かったのかもしれない。そうすれば、彼女自身で自分に手を加える事などしなくて良かったのかもしれない」




こうすれば良かった、ああすれば良かった、とどこでも聞く。

しかしそんな事言ったって、遅いものは遅いのだ。









彼女は自らと子の命と引き換えに、犠牲になったかもしれない人々の命を救ったのだ。

「どういうことかよく分かんねえけどよ‼」

猪頭少年が立ち上がり、声高々に叫んだ。



「そいつは鬼になりたくなかったんだろ‼んで、ギョロギョロ目玉を悲しませたくなかったんだ‼だから、自分で自分を殺したんだろ‼」

まるで、名推理だろう、とでも言いたげに胸を張りながら、猪頭少年は声を発した。







そんなこと俺でもわかっている。

という、俺の気持ちを代弁するかのように、黄色い少年は猪頭少年に詰め寄っていた。

ふと、竈門少年の方を見ると、笑顔を崩し顎に手を当て、真剣な顔つきになった。

何かに気付いたようだ。



「なあ、善逸。禰豆子の事、どう思う?」

「は?禰豆子ちゃんの事?可愛い女の子、でしょ」

当然だと言わんばかりにそう言い切り、竈門少年の持ってきた箱を見つめた。

「何で、()と言わなかったんだ?」

「だって、誰も食べてないし、襲っていないし、そういう意思もないんだったら…鬼じゃないだろ」






食べてないし…、襲っていないし…、そういう意思もないのなら…。



「もし、……もしも…………煉獄さんの奥さんが鬼に変化したときの急な体力の多量使用で空腹だったところに、煉獄さんがきたのだとしたら?」

空腹なところに餌があるんだ、喰らいつかないわけがない。

だが、Aは喰らおうとはしなかった。









そして、何故か、酷く疲れていた…。




「もしかしたら、食べるのを必死に我慢していたのでは?」

竈門少年の視線に、俺は、何も言えなかった。

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スノードロップ(プロフ) - ユリさん» 最後まで、お付き合い有難うございました!続きですね…!?頑張らせていただきます! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 4bbeb34f3b (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 完結おめでとうございます。出来れば続きがみたいです (2019年12月11日 1時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - ツバサさん» とりあえず、話の流れと大まかな物語は書いているので、更新ペースを上げられれば、と思います!頑張らせていただきます! (2019年12月9日 7時) (レス) id: 4bbeb34f3b (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ - この後の展開が気になり過ぎて待ちきれません。更新頑張ってください (2019年12月9日 4時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - サクラさん» 有難うございます(*^-゜)vThanks!更新ペースは、遅いですが、最後まで見てくれると嬉しいです! (2019年12月2日 7時) (レス) id: 4bbeb34f3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スノードロップ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年11月17日 0時

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