第17話 ページ18
煉獄Aside
気付くと、鬼は私の目の前に立っていた。
親子がいたはずの場所を見ると、真っ赤な血と服がそこに散乱しているだけで、3人の姿はなかった。
ああ、食べられたんだと、瞬間的に理解する。
そして、自分も今から食べられるのだ、と。
お腹の子だけは守らなければ、と思った。
でも鬼は、そんな気持ちを汲み取ってはくれない。
無慈悲にも私の前へ来て、腕を振り下ろすのである。
「その女に手を出すな」
聞こえた声は落ち着いていて、威圧感のあるものだった。
反射的に鬼だと、理解する。
「その女は、大事な実験材料だ。お前のような虫ケラが触るな」
辛うじて顔を少し上げると、先ほどの鬼の首が目の前にごろりと転がって来た。
「ひっ！」
恐る恐る顔を上げると、妙な模様が身体中に入った鬼だった。
目の前の鬼の目には、しっかりと文字が刻まれていた。
「十二鬼月…」
それも、上弦の参…。
あの杏寿郎さんでさえ、今まで対峙した中で一番強かったのは下弦の壱だったと話していたにも関わらず…。
その何倍も強い鬼なんて、瞬殺されてもおかしく無い。
「お前、鬼殺隊士では無いだろう。何故十二鬼月を知っている」
突然の問いかけに体が震える。
「……しゅ、主人が鬼殺隊士なんです…」
怯えながら、言葉を紡ぐ。
杏寿郎さんのことを話すのは、気が引けたが、威圧感と殺意の入り混じった目に押されてしまった。
「お前、腹に子がいるだろう？」
疑問形ではあるが、知っていたように聞いてくるのはとても怖い。
お腹の膨れ具合から、それくらいはわかるとは思うのだが、話し方がとにかく怖いのだ。
私が吃っていると、鬼は言葉を続けた。
「身籠っている人間が鬼になれば…もしかしたら、その子供は太陽を克服するかもしれない。無惨様からのご命令だ。お前が最後の可能性。存分に実験体として生き延びろ」
それに…
と、鬼は楽しそうに言葉を紡ぐ。
「嫁が鬼になった時、鬼殺隊士の旦那がどうするのかも見モノだしな。まあ、どうせ雑魚だろうがな」
そういうと気味の悪い笑みを浮かべる。
その言葉に自分の中の何かが切れた。
滅多に切れることのないそれが切れた瞬間、自分の中の感情が露わになった。
「炎柱です…‼」
「はあ？」
「私の主人は炎柱です‼誰よりも熱く誇り高き精神を持つ者です‼貴方のような下劣な鬼が主人のことを悪く言って良いはずがない！訂正して下さい！」
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スノードロップ(プロフ) - ユリさん» 最後まで、お付き合い有難うございました！続きですね…!?頑張らせていただきます！ (2019年12月11日 1時) (
レス) id: 4bbeb34f3b (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 完結おめでとうございます。出来れば続きがみたいです (2019年12月11日 1時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - ツバサさん» とりあえず、話の流れと大まかな物語は書いているので、更新ペースを上げられれば、と思います！頑張らせていただきます！ (2019年12月9日 7時) (レス) id: 4bbeb34f3b (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ - この後の展開が気になり過ぎて待ちきれません。更新頑張ってください (2019年12月9日 4時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - サクラさん» 有難うございます(*^-゜)vThanks!更新ペースは、遅いですが、最後まで見てくれると嬉しいです！ (2019年12月2日 7時) (レス) id: 4bbeb34f3b (このIDを非表示/違反報告)
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