九十四話 弁当 ページ3
「これは慰霊碑。この中にはオレの親友の名も刻まれている…。」
『カカシさんの、親友…』
何処か悲しげな師匠の背中を見て、私の心が無意識にギュッと締め付けられる。
…そうだ。そうだった。何で忘れてたんだろう、私。
此処は、大切な人をいつ失っても可笑しく無い…そういう世界だった。
死ぬか、生きるか…
私達は今、その世界に行けるかどうか試されてるんだ。
そう思うと、途端に下忍になる事が怖くなってきた。
周りの皆も、慰霊碑を見つめながら不安そうな空気を漂わせている。
そんな空気の中、カカシさんが「お前ら!」と厳しい表情で口を開いた。
「最後に、もう一度だけチャンスをやる。」
『…』
最後のチャンス…か。
練りに練った作戦を実行しても鈴を取れなかった私が、精神共に疲れきった今の状態で、どうしろと…
なんて、我ながららしく無いマイナス思考が出てくる。
「ただし昼からはもっと過酷な鈴取り合戦だ!挑戦したい奴だけ弁当を食え。」
そう言って弁当を地面に置くカカシさんを、虚ろな目で追っていた。
と、その時。
『……は?』
ん?今私は大変な事に気が付いてしまった気がするのは気のせい?
オイオイ待てよ?
弁当、2つしか無いんですけど。
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キイラギ(プロフ) - スカイさん» 返信遅くなってしまい申し訳ございません。面白いと言って頂き何よりです!更新再開は検討中ですが、気長に待って頂けたら光栄です。もしかしたら近々するかもしれません。 (2021年4月10日 17時) (レス) id: bbcff2f923 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - とても面白くて、一気に読んでしまいました.....!もしまた更新再開して下さったら本当に嬉しいです。作者を陰ながら応援させていただきます。 (2021年3月28日 14時) (レス) id: 5b3c3774ee (このIDを非表示/違反報告)
キイラギ - 瑠威さん» コメントありがとうございます!面白いと言ってもらい嬉しいです!今後もどうか宜しくお願いします! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 7df02dd123 (このIDを非表示/違反報告)
瑠威(プロフ) - 凄く面白かったです!続き楽しみにお待ちしてます! (2020年1月12日 0時) (レス) id: 248b7ead12 (このIDを非表示/違反報告)
キイラギ - 鶴さん» 前章でもコメントして下さった方ですよね!応援ありがとうございます!!こんな不束者の小説ですが、今章でも宜しくお願い頂けたら幸いです!! (2019年6月16日 20時) (レス) id: 65879db91d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キイラギ | 作成日時:2019年6月7日 20時