少女は銀色狐の夢を見る【NARUTO】〈2章〉

八十八話　兵器(サスケside) ページ43

「クソッ…」


首から下が地面のヒンヤリとした温度に包まれている感覚の中、オレは今しがた繰り広げられていたカカシとAの戦闘を見て、思わずギリッと奥歯を食い縛っていた。

オレさえ触れるのがやっとだった鈴を、糸を切って宙に浮かせるまで…
まさかアイツがあれほどの力を持っていたとは…

あの歳でやっと下忍になった程度の実力だ。正直舐めていたのは認める。
でも、動き・スピード・手裏剣術…全てオレに劣ってはいるものの、あのカカシの不意を突くまでの作戦をつくるとは…

オレは負けたのか？あんなヘラヘラと掴み所のない奴に？

そう考えると、何故だか妙な敗北感が襲ってきた。

クソッ、この地面から出られれば……


と、その時だった。


『フハハハハッ！！甘いなカカシさん！！私がこんな所で負けを認めるとでも思ったか！！』
「あのねぇ…威勢が良いのは良いことだけど、あともう2分で終わるから。負けを認めるしかないでしょーが。」
『フハハハハッ！！』
「ハァ…」


謎の笑い声を出しながら、呆れ顔のカカシを余所に忍具ポーチにゴソゴソと手を突っ込んだA。
アイツ、今度は何を……

興味本意でAを見るオレ。
と、忍具ポーチから取り出されたのは…


「おまっ！？それを何処で！？！？」

『フハハハハッ！！その銀の鈴をこっちに渡さなければコレをズタズタに切り裂いてやる！！！！
この……



イチャイチャパラダイス・上巻をなぁ！！！』

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