三十八話 不合格(カカシside ) ページ40
「…お前等全員不合格だ。アカデミーからやり直してこい。」
気が付いたら、そう言っていた。
言えずには、居られなかった。
今回行った下忍試験に、オレは今は亡き友から教わったことを審査基準とした。
ルールや掟に捕らわれず、仲間を優先する事が出来るか否か、だ。
2つある鈴を三人で取り合い、取れなかった一人は脱落。ここで、自分が鈴を取れるか取れないかを関係無しに仲間と手を組めるかどうかが試される。
ところが今回の下忍ときたら手を組むことはおろか、仲間を罵って、自分が鈴を取る事だけを考えるヤツばかり。仕舞いには仲間同士で誰が合格者にふさわしいか争い始めた始末だ。
ダメだ。こんなチームワークの欠片も無い奴等は、オレ達の様になりかねない。間違えても、オレとオビトの様になってはいけないんだ。こんな班が出来てはいけない。
ぐるぐると渦まく思考の中、オレは気が付いたら�全員不合格�を言い渡していた。
言えずには、居られなかったんだ。
*
「ふむ、全員不合格か…やはりお主の審査基準は、子供達にとってちと難しいのかも知れんのォ…」
火影室。
今回の下忍試験の結果を言い渡すと、三代目は呟く様にそう言った。白い煙が、モクモクと天井に上がっていく。
「次の試験もコレでいく気かの?」
「はい。…審査基準を変える気はありません。」
「そうか…分かった。今日はもう下がって良いぞ。」
バタンッ
廊下に、ドアが閉まった音が響き渡った。「ハァ」とため息をつく。
仲間を大切にしない奴は、それ以上のクズ…か。
手のひらでチリンチリンと音をたてている鈴を、ギュッと握りしめた。
チームワークを大切にしない奴は忍になる資格なんか無い
…なぁ、そうだろ?オビト、リン。
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キイラギ - 良い話と言って貰えて嬉しいです!リクエストは少し先の事になってしまうかも知れませんが、この話を完結出来るようバンバン投稿するつもりので、暇潰し程度にでも見てくれれば幸いです! (2018年12月22日 22時) (レス) id: c044f0b226 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 良い話です!最新とミリアさんのリクエスト頑張って下さいね! (2018年12月22日 21時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
キイラギ - 応援有り難うございます!頑張りますね! (2018年12月22日 19時) (レス) id: c044f0b226 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 楽しみに待っていますね!頑張って下さいね! (2018年12月22日 18時) (レス) id: a3eeffbc62 (このIDを非表示/違反報告)
キイラギ - コメントありがとうございます!たくっちのまぃ、調べさせていただきました。この小説に区切りがついたら、丁度他のキャラとNARUTOのキャラを絡ませる恋愛短編を書いてみたいと思っていた所なので、その時に書いてみたいと思います! (2018年12月22日 13時) (レス) id: 9e16dfbd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キイラギ | 作成日時:2018年12月9日 22時