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私が牛島君を避けに避けまくって1週間がたった
あの会話の後から何故だか、気まずくなってしまった。理由はよく分からないが、彼が東京に行くと聞いた瞬間、頭の中が真っ白になった。そして、それと同時に何かが心にぐるぐると渦巻いた
牛島君には悪いけれど、合わせる顔がない
私が一方的に気まずいだけだ
彼が毎日教室に来てくれているのも知っている
それを知っていてもなお、私は牛島君を避けている
本当にごめんなさい。
毎日私を探しているであろう、キョロキョロと周りを見ている彼に心から謝る。だがそれも
『そろそろ終わりかなぁ』
「? 何か言いましたかAさん?」
『ううん、何でもないよ五色君』
「ならいいです!」
にっこりと笑った(上手く笑えていたかは分からないが)私に、五色君は笑顔で答えた
あぁ、今日も後輩が可愛い。前髪、今日もきまってるね。そう言いたいが、口には出さない
今、私と監督たちの目の前には宮城県内から集められた1年生たちが並んでいるのだ、それも優秀な選手ばかり。
白鳥沢の威厳を守るためにも、しっかりとマネージャーを勤めなければ!
五色君の頭をなでなでなんてしていられない
穴原監督は選手の名前を一人一人呼んでいく
そして私も監督から渡されていた選手名簿を見て、一人一人確認していく
その時、穴原監督の声がピタリと止んだ
私は目線を選手たちに移した
皆が1番左側に並んでいる選手を見ている
あれはたしか、烏野の…………?
……えーーーーーっと??
「君、呼ばれてないよね……?」
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作者名:迫。 | 作成日時:2018年5月19日 2時