標的194 「まさかの森で迷子になって行く」 ページ2
「で、初任務はどうだった」
ナイフをちらつかせるベルにハンズアップで断りを入れていれば、スクアーロが忘れないうちにとでもいうように聞いてくる。
『どうって……まあ、無線機の使い方がドタバタしたけど、それ以外はいつも通りかなって感じ』
「んじゃ、次から一人でもいいかぁ？」
『たぶん』
「なら、任務行くときの手続き説明すんぞ」
そんなこんなで説明を受け、複雑且つめんどくさい手順にワタワタしながら、どうにかこうにか理解した。しゅ、集団ってめんどくせえ。
その日の深夜。
『はぁ……迷子だ』
ちょっと所用で三成を呼ぼうと思い、外に出たはいいものの、何者かの気配を感じそれを追っかけているうちに、森でまさかの迷子である。どこだよここ。
『気配の正体も見失いましたしね。三成はちゃんと来たけど俺がちゃんと帰れないってどういう事よ』
三成には書状を渡して「お願いな〜」と見送った後だ。
木の枝に飛び乗って少し上まで行ってみたが、木々のてっぺんは遠く、どっちがどっちか全然わかんない。
『しかたねえ。飛ぶか』
少しだけだし、こんな夜中だし、方角確認したらすぐ降りるし、と渋々羽を出した。
バサッと一度羽ばたかせてからさて飛ぼうと思ったとき、背後から唐突な銃弾。
『ッ！！？』
俺の右羽を掠ったが、痛みはない。まあ、炎が可視化しているだけから痛覚はないんだけど、再生するからすぐもとに戻るし……そんなことよりもだ。大問題である。
『なにするんですか』
「テメェこそ何してやがる」
『いや、迷子です』
「あぁ？」
ゆっくりと銃を片手に歩み寄ってくるのはザンザスだ。なんでここにいるかなんてクソほ
どどうでもいい。そんなことより大問題だ。ザンザスにこの羽を見られた。
身構えながら、こちらに歩いてくるザンザスをじいっと見つめる。俺が警戒しているのは当然伝わっているようで
「……」
『………』
「……いつまでそうやってやがる」
『はい？』
「迷子だろうが。城はテメェの後ろだ」
俺の背後を顎で指すザンザス。いやちょっと待とうか。
流石にノーリアクションは想定外だったため、羽を出したまま間抜け面だコレ絶対。
着いて行っていいものなのか、というかどうすればいいんですかと言ったように立ち尽くす俺に、無表情のままザンザスが口を開いた。
「テメェの素性を知らねえまま、俺が勧誘すると思うか？」
『どこで知ったんですか』
「……教える義理はねえ」
『……』
「それ以前に、テメェとは……」
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りお(プロフ) - こんばんは、いきなりのごめんと失礼致します！とっても面白かったです、作者様のこの作品を見つけて一気読みしてしまいました！こんな素敵な作品ありがとうございます。次の更新も楽しみにしております！ (2021年6月30日 23時) (
レス) id: 02a06a9e06 (このIDを非表示/違反報告)
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