第弐幕、戦国時代に飛んだ元一般ピーポーは最強のさすらい人らしいです。 (ページ25)

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第六十六戦目　貴「知らない人の馬に乗っては駄目」ページ25

絶賛大ピンチな俺です。
くっそぉ・・・馬に乗れないってこんなとこで不利なんて・・・ドちきしょうが！！
ﾊｯ!!どこかの暗殺部隊のボスさんの叫びが出てしまった。危ない危ない。

貴「しゃーない・・・変身して逃げるしかないか」

俺が腹をくくろうとしたとき、斜め後ろから馬が一騎かけてきた。
それは俺の真横に並ぶと俺と同じスピードで走り始めた。

？「そこの黒いの！早く乗んな！！」

貴「はい？」

？「事の顛末は全部見てた！早くしろ！！」

なんだこの人、髪の毛長ッッ！！
じゃなくて、急に来て乗れとか・・・・・なにそれ怖いｗ

貴「不審者にはついて行くなって言われてるので」

？「言ってる場合かよ！」

まァ確かに、もうすぐ追いつかれそうですけどね。
だからと言ってさっきの見てた奴の馬にホイホイ乗るほど馬鹿じゃない。
いいのかホイホイついてきてって奴だったら怖い。青いつなぎ怖い。

？「俺はお前の敵じゃねェ！！急げ！！」

貴「・・・・・背に腹は代えられねェか」

俺がそう言うと手を差し出してきたそいつ。
それを握ると引っ張り上げられた。そのまま馬にまたがる。

？「しっかり捕まっとけよ！！」

貴「おう！」

男が両足で馬の腹を叩くと馬は一つ鳴いてスピードを上げた。
おぉ、速い速いｗｗｗ

小「おい！待ちやがれ！！」

後ろから小十郎の声が聞こえたが振り返らない。
そのまま馬はスピードを上げる。
っていうか・・・

貴「この先って崖じゃ・・・・・」

？「ここで馬は乗り捨てる！」

貴「は？ちょ、嘘！？」

？「つかまってろよ！」

貴「ギャァァァァァァァ！！」

そのまま馬ごと空中へ。
叫んでいた俺を片腕で持ち、落ちていく。
これ相当高いから！！すごく高いからぁぁぁぁぁ！！

？「よっと」

貴「わぷっ」

落ちて行ったと思ったら少し下にあった太い木の枝に飛び乗った。
その衝撃で内臓が飛び出そうになったのは秘密である。

？「大丈夫かい？少々手荒だったか？」

貴「いや、助かった」

？「ならよかった。俺は前田慶次、よろしくな！！」

人のよさそうな笑みで自己紹介するお兄さん。
なかなか派手な格好をしていらっしゃる。

貴「あ・・・なるほど。で、どこの方で？」

慶(慶次)「まぁ～・・・基本ふらふらしてるからなァ、風来坊って呼ばれてるぐらいだし」

貴「楽しそうだな～・・・俺もそんな感じがいい」

慶「おぉっ！そりゃいいね！！」

この人、典型的ないい人だｗ