第漆幕、戦国時代に飛んだ元一般ピーポーは最強のさすらい人らしいです。 (ページ25)

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第三百九戦目　貴「見てるこっちが緊張する時ってあるよね」ページ25

貴「おかえり」

風魔「・・・・・・」

貴「今から？もう寝ようかな～と」

風魔「・・・(ｼｮﾎﾞﾝ」

貴「・・・少しお喋りすっか」

風魔「♪」

分かりやすくて可愛い。
そうさな～・・・なんの話しようか。

貴「ああ、幸村が明日お見合いするんだって」

風魔「！？」

貴「なんか知らんが、俺が気絶して直ぐにお見合いをセッティング・・・は分からんよな。お見合いを取り付けたらしくて、明日どっかの姫君とお見合いするんだと」

風魔「・・・・・」

貴「まぁ、幸村は顔が良いから大丈夫だろうな」

風魔「・・・・・(ﾑｽｯ」

貴「小太郎も男前だぜ？ホント、顔を隠してるのもったいない」

ほっぺたを撫でると、俺の手に自分の手を重ねる小太郎。
あはは、もっと撫でろって事かな？
よしよしと撫で続けながらぽつぽつと一人喋る。

貴「俺、幸村たちと会ってまだ初日なんだけど・・・」

風魔「？」

貴「そう言えばお前と出会ってからまだ数日だよなぁ」

風魔「・・・(ｺｸﾝ」

貴「お前、俺なんか信用していいの？俺、割と酷いぜ？」

風魔「・・・(ｷﾞｭｳｩ」

貴「はは、ありがと」

抱きつかれるのは何回目でしょう。
でも今回は優しく、包まれるように抱きしめられている。

貴「なんか知らんけど、痛いんだよ」

風魔「・・・・・」

貴「俺が大事だって思ってた人間は皆いなくなった」

風魔「・・・」

貴「俺は多分、人とかかわらない方がいいんじゃないか？」

風魔「！！？」

貴「って思う時がたまにある」

よしよしと、今度は俺が頭を撫でられた。
小太郎の胸に額を預け、目を瞑る。

貴「ふふ、俺は弱いな」

貴「はい、シリアスなんて知らないよ！！」

風魔「・・・」

てなわけで翌日です。
あの後、眠くなった俺はそのまま寝落ちしたらしい。
それを優しい小太郎君が布団に寝せて、掛布団まで掛けてくれたらしい。
お陰さまでおなかを壊すことも無く、元気に朝を迎えている。

貴「さて、今日のメインイベントだが」

風魔「ｗｗｗ」

貴「既に笑いかけている小太郎君。自重したまえｗｗｗｗ」

佐助「とか言うあんたも既に笑ってるからね」

俺ら三人の目線の先には信玄さんとガッチガチに緊張した幸村。
そう、何を隠そうお見合い本番。俺ら三人は覗き見中。障子の隙間から覗いてる。

佐助「さて、そろそろ相手の姫さんが来そうだけど」

貴「あー、なんか俺の方がドキドキするわ」

二人の人影が俺らが覗いてるとこの反対側の障子に映った。