第漆幕、戦国時代に飛んだ元一般ピーポーは最強のさすらい人らしいです。 (ページ14)

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第二百九十八戦目　貴「何かの縁ですね分かりますｗ」ページ14

犬に言っても変わらない？
ああ、そりゃそうだろうさ！！犬に言った所でワンとしか言えんわ。
だがしかーし！！犬じゃないんだなこれが。
俺様は人間！限りなく化け物に近い、それでも人間だ！！

貴「ｶﾞｳｯ！」

信玄「どうしたお犬殿」

幸いなことに、人払いは信玄さんが行っている。
ならば何も心配することは無いわ！！ふははははははは！！！
という事で人型に戻るんだもの！！

信玄「なっ！」

驚いている信玄さんの目の前に傅き、頭を垂れる。
そしてそのまま朗々と語りだす。不信感を抱かれる前に自己紹介をばといった判断。
吉と出るか凶と出るかは分かんないけどな☆

貴「どうもお初にお目にかかります！！姓は歌龍！名はA！化け物とも人間とも相成れず、ふらふらと放浪の旅をいたしていた所、幸村殿に抱え上げられた次第！！ここであなた様に出会ったのも何かの縁。武田信玄殿！貴殿の望み、微力ながらもお手伝いしたく思い、正体を明かした次第！！どうか頭をあげる許可を！！！」

信玄「・・・ふむ、主に聞こう。この場でそれを明かしたとき、わしに殺されるとは思わなんだか」

貴「先ほどの話を聞く限りでは、信玄殿は民の方を良く思ってらっしゃる。甲斐武田が民の可能性が一縷でもあるのなら、敵意が無い限り手を上げることは無いだろうと思い至った次第！あとは自分めの勘でございます！」

信玄「勘・・・とな？」

貴「はっ！信玄殿はお優しい方、自分めの怪奇を見てもなんとも思わないだろうと、勝手ながら判断させていただいた！」

信玄「・・・ふはははははははははっ！！お主気に入ったぞ！！顔を見せい！！」

顔を上げると力強い信玄さんの目と俺の視線がぶつかった。
じいっと見つめると、ふっと笑った信玄さん。

信玄「よい眼をしておるな。強き武士の眼じゃ」

貴「そんな大層なものではございません」

信玄「そう謙遜せずともよい。お主に敵意がない事は最初から分かっておる。喋り方も戻してよいぞ」

貴「え・・・」

信玄「隠さずとも良い。その話し方も様になってはおるがのう」

貴「あ、えっと。んじゃ改めまして歌龍Aって言います」

信玄「わしは武田信玄じゃ」

何故かもう一度自己紹介。
で、なぜか暫しの沈黙の後・・・

信玄「お主・・・化け物やら人間やら言っておったが、どういうことじゃ」

貴「えっと、俺自身に不思議能力がついててですね・・・あ、これから先は他言無用でお願いします」

信玄「うむ」

多分この人も大丈夫。