【HUNTER×HUNTER】あの奇術師の教育者はこの俺だ！ー子育て編ー (ページ6)

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＋押しに弱い？それは違うと思う＋ページ6

結局俺はアクナに押され、HUNTER×HUNTERの世界に行くことを承諾してしまった。
アクナの目はいっそうに輝きを増していたが、俺はもう相手にするのは疲れたため無視を決め込むことにした。

「ではでは数日後に突然押しかけるかもしれませんがそれまでに準備を済ませておいてくださいねー!!」

『突然押しかけんの?!悪徳セールスマンか何かなの、お前。』

あっさりと俺の決意は折れた。

「それじゃまたいつか会いましょう！」

『スルースキル半端ないな!!』

アクナはドアをすり抜けて出て行った。
何だろうこの倦怠感。
すべてアクナにやられたものだと考えると怒りよりも虚無感の方が強くなった。

『はぁ・・・・・・・・何なんだよ。』

＊

それからの数日後というのは本当にアクナの気まぐれだったらしく、ふらりとやってきたのは５日後の夜中だった。
俺は寝ていたのだが、爆音のサイレンという近所迷惑よろしく的な道具でたたき起こされたのである。
もちろん俺は女子とは思えない叫び声で目を覚まし、俺の部屋にやってきた母の拳が顔面にヒットしたのは言うまでもなかった。

『・・・・・・。』

「さてと、準備はちゃんとしてましたか～？」

『少なくとも荷物はな!!今の俺の格好見て準備が終わってるっていうんならお前の目は節穴だ!!』

アクナはニコニコと笑っているが、俺は笑えない。
そりゃそうだ、母の拳の痕が残った頬がズキズキする。その上、ジャージなのだ。女子力なんて皆無。
電気をつけてクローゼットからジーパンとシャツ、ジャケットと要に貰った翡翠のネックレスをつけて髪の毛をポニーテールにすると、黒と白のチェック柄のリュックを背負う。
そして木刀を持つと、アクナを見た。

『準備終わったぞ。』

「女の子らしさに欠ける、動きやすい格好ですね！」

『ほっとけ!!』

一言多いとはまさにこのことではないのだろうか。
アクナはお腹を抱えてゲラゲラと笑っているが笑う要素はどこにも無かったはずだ。かなりの笑い上戸なのだろう。

「ヒィッ・・・ハァ・・・!!それではいきましょうか、Aさん。」

もう“様”付けではないところを見るとコイツは俺を馬鹿にしているとしか思えなかった。