156話、背中に刺さる視線 ページ10
「……………。」
「……………今さらじゃないか?」
「……言いたいことは分かってます…それでも昔と今では状況というか…気持ちが違うんですよ…えぇ、」
「…ほぅ!それは中々に嬉しい進展だな」
お風呂に入るにはまずは服を脱がねばならない
それは勿論、問題の連続だ
ピタリと固まる私の動きに煉獄さんは呆れて、腕を組んでは壁に寄り掛かって待ってくれている
別に女の裸を見慣れている煉獄さんには──っと少し前に吠えたことがあるが…
それは煉獄さんに何の特別な感情が無かったからであって…
今は全くもって違う!
完全に意識してしまっている現状、これは不味い
ニヤけてる煉獄さんに恥ずかしさは登り詰める一方だった
「このままでは埒が明かないな…なんなら俺が脱がそうか?」
「殺す気か!?無理ッ!それはもっと無理ッ!!」
「なら早くしたらどうだ?」
「……っ、意地悪…ッ!」
「ククッ」
全力で後方に下がり、両手を前に出してはストップ!っと訴えた
どっちに転がっても私にはマイナスにしかならないことを良いことに楽しみやがって!!
ワナワナと沸き上がる気持ちをグッと堪えて、せめてものの抵抗で後ろを向いて服に手を掛けようとしたが──
「……せ、せめて後ろを向いて貰えませんか…ねっ?」
「断る!そんなに後ろを向いて欲しいなら出て行くが?」
「ぅうぐ…っ!」
なんという恐ろしい盾を身に付けたな!
熱い視線が気になって試しに言ってみたが、敢えなく撃沈した
……はぁ、気にするだけ馬鹿らしくなってきた
ベタつく服にもた付きながらもゆっくりと脱いだ
ビールの臭いが落ちてくれることを願おう……いや、もうこの服は着れそうにないな
変なことを思い出しそうで嫌だし
ぁ、
「…煉獄さんそこにタオ──」
せめて、タオルだけでも身体に巻き付けたかったので出来る限り腕で隠せるだけ隠して、後ろを向こうとすれば突然頭に振り被る柔らかい感触にフリーズした
直ぐにソレがタオルだと気づいた時には煉獄さんに後ろから抱き締められれば普通に呼吸が止まった
「生殺しも良い所だな…っ」
「ッ!て、手は出さない…ハズでは??」
「……そんな約束したか?」
「〜〜ッ!!」
確かにそんな約束はしていない、にしてもだ…!
この状況は非常に不味い
いつでも喰われる体勢も否めない状況だ
心臓が死ぬほど高鳴ってる事しか頭が回らない
タオルのせいで煉獄さんの顔は見えない事がせめてものの救い?なの、か?
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棗(プロフ) - クロさん» そんな!?勿体ないお言葉…ッ!凄く嬉しいです!これから…だなんて、えへへ〜っ!すみません。ご期待に応えれる作品であれば幸いなのですが、これからもヲタクライフ強火で書ければ…!っと思っておりますので、少しでも楽しんで貰えるよう頑張ります! (2021年12月7日 0時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - ナキサさん» ナキサさんっ!!ありがとうございますっ!ナキサさんにそう言って貰えると嬉しいです!!応援もありがとうございますっ!日々、頑張っていきますっ! (2021年12月7日 0時) (レス) @page46 id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - 私のお気に入りの作品の中で、一番好きな作品です。棗様、いつも楽しいお話をありがとうございます!若様とヲタクな夢主ちゃんのこれからを想像しながら毎日更新されるのを楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2021年12月6日 8時) (レス) @page39 id: 6871d01b79 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - イケメンな若様、最高ですね〜!夢主ちゃんとの関係値が好きです。応援してます! (2021年12月6日 1時) (レス) @page39 id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 梅好きさん» 梅好きさん嬉しい言葉をありがとうございます!優しい世界に泣きそうです!とりあえず、ティッシュをどうぞ…!とても恥ずかしい気持ちで一杯なのですが、そう言って貰えると本当に励みになります!これからも頑張りますで引き続きティッシュ片手に宜しくお願いします! (2021年12月4日 6時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗 | 作成日時:2021年11月28日 1時