157話、初めて聞く小さな声 ページ11
「……ふぅ──っ、さて…頭を洗うぞ」
「へっ!?ぁ…っはい!」
「………こんな状況じゃなきゃ喰ってやったのにな」
残念だ。なんて悪びれもなく言う言葉に耳を塞ぎたくなった
屁理屈を付いて良いのなら、あんな状態でなければこんな展開にもなってないと思いますけどねーーっ!
なんて言った日にはどうなるか想像も付きたくないので、お口チャックで!!
少しきつくなるぐらいにはタオルを身体に巻き付け、バスタブの中に座った
本来なら足を伸ばしてのんびり出来るのが普通のバスタブだが、足を曲げて横向きに座ってるせいで少し窮屈ではあるが
煉獄さんの姿をなるべく見なくて済む方法がこれしか浮かばかなかったから仕方がない
蛇口を捻る煉獄さんの逞しい腕を横目で見守りつつ、お湯が勢いよく落ちてくる様子をただ見ていた
「…………こんなことになるなんて思わなかったんだ」
「! ……あー…大丈夫ですよ?もう終わったことだし…私こそ楽しい雰囲気を台無しにしてごめんなさいっ」
「君が謝る必要は…「あるんです!!」
「私があの人達の気に触ることしちゃったから……ははっ、調子に乗りすぎました!不甲斐ないです」
今までに聞いたことのない煉獄さんの小さな声に驚き目を丸くした
そんな声、出して欲しくなかったな…っ
胸がギュッと締め付けられる
私が調子に乗って悪ふざけが過ぎたからこんな事になってしまったんだ
もう少し大人しくしていれば…良かった
そうすれば山さんが殴られることもなかったし
もしかしたら今でもお肉を食べれていたカモしれない
「──何が可笑しい?」
「え、」
「笑い事じゃないだろう?君があのゴミどもに何をしたと言うんだ?」
──今、ゴミって言った??
「俺は君だけが楽しければそれで良かった…でも君は優しい……その優しさでみんなを楽しませようと気を遣う」
「そこにも俺は惚れているが、それでも辛くなる」
買い被りすぎだ
私はそこまで優しいヤツではない
嫌いな人はとことん嫌いだし、好きな人には甘いが──
だから煉獄さんのソレはただの買い被りすぎだ
そう言ってやりたいが、きつく首もとに回された腕を思えば口も開かなかった
「…煉獄さんにそんなに想って貰えて私は幸せですね」
「こんなもんじゃ足らんさ」
「うわぁ〜〜っ!それは大変だ」
そんなふざけた事しか口に出来なかった
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棗(プロフ) - クロさん» そんな!?勿体ないお言葉…ッ!凄く嬉しいです!これから…だなんて、えへへ〜っ!すみません。ご期待に応えれる作品であれば幸いなのですが、これからもヲタクライフ強火で書ければ…!っと思っておりますので、少しでも楽しんで貰えるよう頑張ります! (2021年12月7日 0時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - ナキサさん» ナキサさんっ!!ありがとうございますっ!ナキサさんにそう言って貰えると嬉しいです!!応援もありがとうございますっ!日々、頑張っていきますっ! (2021年12月7日 0時) (レス) @page46 id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - 私のお気に入りの作品の中で、一番好きな作品です。棗様、いつも楽しいお話をありがとうございます!若様とヲタクな夢主ちゃんのこれからを想像しながら毎日更新されるのを楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2021年12月6日 8時) (レス) @page39 id: 6871d01b79 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - イケメンな若様、最高ですね〜!夢主ちゃんとの関係値が好きです。応援してます! (2021年12月6日 1時) (レス) @page39 id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 梅好きさん» 梅好きさん嬉しい言葉をありがとうございます!優しい世界に泣きそうです!とりあえず、ティッシュをどうぞ…!とても恥ずかしい気持ちで一杯なのですが、そう言って貰えると本当に励みになります!これからも頑張りますで引き続きティッシュ片手に宜しくお願いします! (2021年12月4日 6時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗 | 作成日時:2021年11月28日 1時