３６６話、満点の笑顔 ページ26
一通り事務所での欲しい資料も集まった頃──
「若…その、───」
「……チッ、今日は手が放せねぇから出直して来い、と伝えておけ」
「それが相手もなんの自信があるのか知らねぇッスけど…凄く好戦的でして……っ」
部下の１人がソッと若様に耳打ちする光景をじっと見ていたら素晴らしいほどの急降下でキレる若様の様子に背筋が伸びた
眉間に寄るシワが凄いのなんのって…
ただ報告しただけの下っ端くんに少しだけ同情したが
“ コレが “ 本来の若様としての対応というか…下っ端くんも顔色１つ変えていないのだから思わず拍手したくなった
まぁ、普通に考えて若様が動きたくない理由は私なのは十中八九なワケで──
「……若様…？私なら大丈夫だからお仕事頑張ってください！」
「…………貴重なAとの時間を俺は大切にしたいんだ…っ！」
「はいはい。その優しさは凄く嬉しいけど…大事なお客さんが来たんでしょ？」
「君より大切なヤツなんて居ないぞッ！」
「仕事して！お願いだからッ！？」
きつく少し苦しいぐらい杏寿郎さんに抱き締められれば
思わず背中を軽く叩いた
今回の件に関しては私のワガママだ
そのせいでこれ以上に若様の迷惑にはなりたくない！
まぁ、本音を言ってしまえば…もう少しだけ一緒には居たいけど
渋々、解放してくれた杏寿郎さんの顔を見上げてみれば、ムスッとした何とも可愛らしい表情に表情筋が緩んだ
「私のコトを思ってくれるなら働いてほしいなぁ〜」
「……むぅ、分かった。…ぁ、そうだ！お昼は一緒に取ろう！良い店を予約したんだ！」
「わぁ！楽しみにしてます！」
杏寿郎さんのスベスベお肌をグリグリ撫で回し、少しでも笑顔になるように上へ上へっと引き延ばした
引き剥がすように両手を包み込むように握られ、満点の笑顔でいつもの杏寿郎さんに戻ったことにソッと胸を撫で下ろした
「鉢合わせたら面倒になるので裏口から出ます」
「…お願いしますっ！」
山さんの案内の下、入り口とは別のドアへ通された
出る際にもう一度、杏寿郎さんの方を見れば
ちょっぴり口を曲げていた姿に笑って手を振れば、きちんと返してくれた優しさにニヤけた
ドアが閉まり切った所で山さんの背中を叩いては悶えた
「〜〜っ！若様が可愛すぎてしんどい…っ！」
「……それを本人に言えたら百点なんッスけどねぇ〜」
「…無理！」
呆れる山さんの背中を押してはニヤけ顔も真顔になった
これでも少しは素直になったんですよ？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 323人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
棗(プロフ) - 黒猫さん» んんッ！黒猫さんコメありがとうございます！！若様の『お嬢』呼び良いですよね！ヽ(´・`)ノ♡ 色っぽい声で言って貰いたい一心で、欲望のままに書いてみましたwいぇいっ (2022年3月29日 12時) (
レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 煉獄さんのお嬢呼びいただきました！最高です！！！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page16 id: 02ed9e584d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：棗 | 作成日時：2022年3月21日 8時
