弱者の宣言 ページ37
アスタがユノと再会し、チャーミーとベルが火花を散らしていた時、フィンラルを見下ろすように屋根の上に一人の青年が降りた。
フィンラルの弟、金色の夜明け団副団長のランギルス・ヴォードだ。
「おや…？これはこれは…兄さんじゃないですか。お久しぶりですね。こんなところでお会いするなんて…」
「ランギルス…！」
「ろくに戦えもしない一族の恥晒しが…戦場に何の用ですか？」
フィンラルを見下ろすランギルスの目は、決して家族に向けるようなものではない。
「…！フィンラル先輩何ですか？アイツ」
「オレの弟だよ。金色の夜明けの副団長」
「えッ」
フィンラルとランギルスの関係にアスタは驚いた。
確かに髪色や目元や声色とか、ところどころは似ているが、中身はまったく似ていない。
フィンラルは誰かのことを絶対に悪く言わない。
「兄さんはまだ黒の暴牛なんかの運び屋をやってるんですか…？兄さんがそんな情けないから…僕がヴォード家当主を継がなきゃいけなくなりそうじゃないですか」
ランギルスの言葉にフィンラルは何も言い返さず、唇を噛みしめる。
そのかわりにアスタが反論した。
「ふざけんなァ！！フィンラル先輩はスゲーぞ！！てゆーかお兄さんに向かって何て口ききやがんだコノヤロォーー！！」
しかしフィンラルは喧嘩を好まない。
自分の後輩と弟なら尚更争ってほしくない。
アスタの言葉が嬉しかったのは事実だが、これ以上事を荒だてないようにアスタを止めた。
「いいんだアスタくん…！本当のことだからさ」
「…でも…」
「もう敵は粗方片付けましたし…何より団長が全部やっちゃってくれちゃいましたからね。もう暴牛さんの出る幕はないですよ。
…それにしても…」
ランギルスはフィンラルから視線を外すと、アスタとチャーミーを舐め回すように見た。
「いつから黒の暴牛は託児所になったんですか…？」
「！」
仲間達の侮辱の言葉に、フィンラルはピクリと反応した。
「子供二人の面倒を見るのも大変でしょう？兄さんはそんな子達の子守り…悔しくは無いんですか？」
「誰が子供だぁぁーー！！見よ！この雄々しい眉を」
「私とランギルスくんは1つしか変わらないではないかーーっ！！」
「見た目の話だよ」
ランギルスの挑発と皮肉に二人は素直に受け取ってしまい、喧嘩はヒートアップする。
争いは避けたい。
しかし仲間を侮辱されて黙るのは、フィンラルの優しさではない。
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なな - こちらこそ、ありがとうございます。 (2019年12月1日 20時) (
レス) id: 1a6326dc3e (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - ななさん» 刺激的なお話ですね！書いてみます。ななさんリクエストありがとうございました。 (2019年12月1日 15時) (レス) id: 88d49bbab8 (このIDを非表示/違反報告)
なな - リクエストです。夢主の義理の母が、来て夢主の結婚の話をしているところを、誰かが盗み聞きという話って書けますかね。 (2019年12月1日 13時) (レス) id: 1a6326dc3e (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - 柚さん» 刀と驚きでほぼほぼ確定ですね！そうです鶴じいさんです。柚さんコメントありがとうございました！ (2019年11月16日 23時) (レス) id: 88d49bbab8 (このIDを非表示/違反報告)
柚 - 人生には驚きが必要だ…!まっまさか!鶴さん!?鶴丸国永こと鶴じいなんですか!? (2019年11月16日 23時) (レス) id: 441c37839d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HANON | 作成日時：2019年9月28日 0時
