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「敢えて申し上げるなら＿＿＿
1ユールでございます」
「なっ！？」
「！？なんてことを」
「…ハッ、貧しく卑しい民らしいわ」
その答えに、国王からは笑顔が消えた。
平民出の彼女はどこかAを心配するように驚き、貴族の令嬢の彼女は終わったと思ったのか小さく鼻で笑った。
ちなみに一方で、通信魔法を通して会話を聞いていたランギルスはぷっと吹き出した。
“その真意”も含めて、あまりにも彼女は正直過ぎる。
Aは飲み干した紅茶のカップを置き、改めて口を開いた。
国王にも貴族令嬢にも、反論の余地は与えない。
「“貧しく飢える民”にとって、1ユールほど切実なものはありません。
金持ちは1ユールの大切さを知りませんが、何も持たない貧しい者は、1ユールの大切さを痛切に感じています。
貧しい民にとって陛下は、1ユールの大切さと切実さであります」
彼女の言い方は、まるで自分が元下民であることを逆に利用しているような口ぶりだった。
Aの口ぶりに、平民出の彼女の心の奥にある大切な何かが救われた気がした。
Aはずっと伏せていた顔を上げ、国王を真っ直ぐと見た。
「アウグストゥス・キーラ・クローバー13世国王陛下
どうか万民に、公平な善政を行ってください」
その場で静かに立ち上がり、深く頭を下げた。
その仕草は、佇まいは、貴族令嬢すらも少し怯む様子を見せたほどだ。
対して平民出の娘は、Aのことをどこか羨ましいという目で見た。
「っアンタ、陛下に向かって指図するつもり！？」
「指図ではありません。
それまで黙っていた、厳密に言えば呆然としていた国王は、わなわなと震え始めた。
「………其方、名を名乗ってみよ！！
処刑して＿＿
〈A！王城敵襲！！そっちにも半分行った！！〉
国王の言葉を途中で遮ったのは、緊急通信をしたランギルスだ。
近くに強い魔と氣を感じたAはゆっくりと口角を上げた。
「名前でしたか？別に名乗るほどの名は持っていませんよ！
A・ヴァンジャンス、好きなものはお菓子と金色の夜明け団の皆です！！」
「「メチャクチャかコイツ/この者！！」」
「Aさん！大丈夫なの！？」
「ご安心を、アナタ
風派生魔法 “ノームの怒号”」
任務開始早々に、本来終盤にお見舞いする精霊魔法をぶっ放したAの表情は心なしか生き生きしていた。
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HANON(プロフ) - Amaneさん» 大正解です！母がよく韓ドラを観ていて、そのシーンと台詞が凄く印象に残っていたので使いたいと思っていたんです。Amaneさんコメントありがとうございました。 (2020年2月24日 21時) (
レス) id: cf411dd6ee (このIDを非表示/違反報告)
Amane(プロフ) - ウィリアム様カッコイイ〜！！そして主人公めっちゃ好みです！笑 所で王様の価値の話ってあの韓ドラが元ネタですよね！違ったらごめんなさい…もしそうなら、お話してみたいです笑 いきなりのコメント失礼します！ これからも応援しています！笑 (2020年2月24日 21時) (レス) id: 1a3aa9e49a (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - NONAMEさん» ノゼル団長は大体何やってもカッコいいから素敵ですよね！NONAMEさんコメントありがとうございました！ (2019年9月22日 22時) (レス) id: ed41bbef6e (このIDを非表示/違反報告)
NONAME(プロフ) - ノゼル様かっこいいいい!!こんなかっこいいノゼル様書いて下さってありがとうございます！ (2019年9月22日 22時) (レス) id: c3aeec0d97 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - いらとやさん» 投票ありがとうございます。私も誰にするか迷っていて、皆さんに決めていただきたいと思ってアンケートを作りました。これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2019年8月11日 8時) (レス) id: ed41bbef6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HANON | 作成日時：2019年6月5日 19時
