・ ページ41
「何より私は怒ってるんです……
あれだけのことやっておいて、勝手に壊れないでくださいよ！！
風派生魔法 “ノームの怒号”！！」
本日2度目の精霊魔法を発動したA。
1度目のものよりも魔力と気合いの入ったものだった。
ヤミは思った。「ポンコツとは一体」と。
一定範囲の魔を揺らす“ノームの怒号”は、目の前の相手の膨れ上がる魔力をも揺らした。
「(カザハも
「「「三位一体 封印魔法」」」
三魔眼の3人が囲うように並び、封印魔法で強制的に封じ込めた。
「ちょっと頑張り過ぎたねリヒトくん。ゆっくり休もう……行くよヴァルちゃーん。ウチの大将の具合が悪いから今日はここで帰らせてもらうね〜」
「今回は我々の敗北だ……だが次に会う時はオマエ達に真の絶望を味わわせてやろう！」
「その時が…アナタ達の最期……」
「我ら“白夜の魔眼”は常にオマエ達を見ている」
その言葉を最後に、白夜の魔眼の彼らは空間魔法の中へ消え去っていった。
「か、勝ったのか…？」
「アイツらが逃げたんならオレ達が勝ったんじゃね？」
「よっしゃァァ、あ……」
「………っ」
アスタが歓喜の声を上げた刹那、糸が切れたように倒れた。
ずっと戦いっぱなしだったので無理もない。
アスタに続いてAも、その場にへなへなと座り込んだ。
「流石に限界だったか…しょうがねー、連れてってやれフィンラル」
「オレ！？」
「……A？」
Aの様子がおかしいと思ったのか、ノゼルとシャーロットが彼女の方へ歩み寄る。
「………ごめんなさい……
ちゃんと勝てなくて…ごめんなさい……！」
俯いて表情の見えないAの声は震えていた。
そんな彼女の言葉を真っ先に否定したのはヤミとシャーロットだった。
「イヤイヤ、あのまま本当に止められてたら
「……洞窟から脱出した子供達には傷ひとつ付いていなかった。シスターテレジアも順調に回復に向かっている」
「A」
ノゼルの呼びかけに、Aはゆっくりと顔を上げた。
その瞳は、本物の海のように揺れている。
「何一つ失わなかった。
オマエの勝ちだ」
瞳からぽろりと溢れた一粒のそれを、ノゼルは親指の腹で優しく拭った。
それを合図に、Aの両目からポロポロと大粒が流れ出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 467人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
HANON(プロフ) - Amaneさん» 大正解です！母がよく韓ドラを観ていて、そのシーンと台詞が凄く印象に残っていたので使いたいと思っていたんです。Amaneさんコメントありがとうございました。 (2020年2月24日 21時) (
レス) id: cf411dd6ee (このIDを非表示/違反報告)
Amane(プロフ) - ウィリアム様カッコイイ〜！！そして主人公めっちゃ好みです！笑 所で王様の価値の話ってあの韓ドラが元ネタですよね！違ったらごめんなさい…もしそうなら、お話してみたいです笑 いきなりのコメント失礼します！ これからも応援しています！笑 (2020年2月24日 21時) (レス) id: 1a3aa9e49a (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - NONAMEさん» ノゼル団長は大体何やってもカッコいいから素敵ですよね！NONAMEさんコメントありがとうございました！ (2019年9月22日 22時) (レス) id: ed41bbef6e (このIDを非表示/違反報告)
NONAME(プロフ) - ノゼル様かっこいいいい!!こんなかっこいいノゼル様書いて下さってありがとうございます！ (2019年9月22日 22時) (レス) id: c3aeec0d97 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - いらとやさん» 投票ありがとうございます。私も誰にするか迷っていて、皆さんに決めていただきたいと思ってアンケートを作りました。これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2019年8月11日 8時) (レス) id: ed41bbef6e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HANON | 作成日時：2019年6月5日 19時
