vanilla sky

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you side
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少し前に当たったライブ。




当てた当時はトレードも迷うくらいだったけれど

一度会って互いの間にあった誤解も何となく解けて
こうしてライブを観れることが嬉しくて。



まあ、泣いてる時に会っちゃったし
互いに遠慮をしてる感もあったし
まだ少し気まずいから

普段は絶対しないけど
本来の整番よりも遅く会場に入った。



立ち位置も、普段なら2段目の柵の所を取るけど
あまり目立たない端で様子見することにした。



目立つ位置にいたところで
川上さんに気付かれる可能性も低いのに
こんなめんどくさいことしちゃう自分に呆れながらも

オープニングSEからアンコールまで
音に酔いしれながらずっと彼を見てた。




自分がギターを弾くのもあって、
正直4人の中だと白井さんが好きで
前までは白井さんをメインに見てた。




そうだったはずなのに
ステージを右往左往する川上さんばっか
目で追ってしまって。

ギターを掻き鳴らして体を揺らして、
乱れる髪も滴る汗も綺麗で。


しかも何度か目が合ったような気がしてしまった。


公演後になっても
その姿一つ一つが何枚もの写真のようになって
私の頭にぐるぐる居座り続ける。





熱気が籠る会場を出ると
冷たい外気に晒されて、それを少し寂しく感じて

さっきまでの時間を惜しむようにわざとゆっくり歩いていると
ポケットに入れていたスマホが震え出した。




取り出して確認するとまさかの川上さんからで、
駅へ流れる人混みの中で出るわけにもいかないけど

如何せんどこもかしこも人だらけで
掻き分けて進むのも
流れに向かって垂直に横切るのも迷惑になる。




こちらを焦らすように着信音は鳴り続けるけど
行き場がなくて困り果てていると
手の中にあった振動が止まった。








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