vanilla sky

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Yoohei side
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フェスの出番を終えて、
レコーディングも全て終えて
いよいよアルバム発売間近となった今

開放的になっているメンバーとは
真反対に、俺の中にはもやもやが募りに募っている。






「洋平、大丈夫？腹でも痛い？」


「や、大丈夫。」


「そう。制作終わったのに元気ないの珍しいから。」






気の配れるヒロが真っ先に俺の異変に気がついた。





あの日、連絡もせずに楽器屋に行ってしまったことが
ずっと胸に引っかかってる。



本来なら絶対連絡しなきゃいけない場面だし、
俺がAちゃんの立場ならムカついてるに決まってるし、
今からでも謝らなきゃいけないことも分かってる。



それもこれも分かってるはずなのに
相手がAちゃんだと

自分だけが必死こいてるように思えて、
どうしても余裕がなくなる。




今までの恋愛で
こんなに意気地無しでダサいことしたことがない。



忘れられないうちに会いたいけど、
その癖面と向かって話をできる自信もなくて。




今頃Aちゃんは
俺がこんなに思い耽ていることなんて知る由もなければ
考えてもいないだろう。



自然消滅なんてぴったり当てはまるような気がして、
わざとらしい乾いた笑いで誤魔化した。








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