vanilla sky

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Yoohei side
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『わ、これはひどい、、』






ギターを預けてそのままレジの裏に行ったAちゃん。



遠くから聞こえてくるその声に
思わず笑ってしまった。



もしかして独り言多いタイプ？



俺と話す時よりもふわっとした声色だったし、
普段からその声で話して欲しいんだけどな。






『川上さん、結構ひどいですね、笑』


「でしょ？よく弾けてたと思わない？笑」


『ほんとですよ！
ライブ大丈夫だったんですか笑』


「や、わかんない。笑」






俺も不安なんだよね。



こんなに削れるまでよく弾けてたなっていうよりかは

こんなギターで俺はこれまで
どんな音をオーディエンスに聞かせてきたんだ？って笑



でもそんなの自分とメンバーで気づくはずだしな。







「いちばん直近のフェスで気づいたんだよね。」


『演ってる時だったんですか？』


「うん。」


『え！じゃあ他の竿と交換は、、？』


「してない。笑」


『大丈夫だったんですか？！』


「力ずくで弦押さえたから多分大丈夫。」


『そういう問題じゃないですよー。
スタッフの方とかなんか言われなかったんですか？』


「言われなかったかなー。
俺が力ずくでやったおかげ？笑」


『、、そうかもですね？笑』


「ははっ、折れるんだ？笑
メンバーからはステージ後言われたけどね。」


『えっ、言われてるじゃないですか！』


「うん、だから多分スタッフは気づいてない？」


『PAさんとか絶対気づいてますって！
今度から早めに修理来てくださいね！』






ヘラヘラしたままの俺に
ちょっと怒り気味のAちゃん。



でも本気じゃないって分かるし、
おちゃらけたトーンだし
それもまた可愛らしくて。







『、、何ニヤニヤしてるんですか。』






今日はあんま見たことないAちゃんばっか
見れてる気がして思わずニヤけてたみたい。








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