にじゅうご。 ページ25
そのまま両手でうりうりと猫の顎を撫で始める猫たらしこと篠さん。
どうしたらそんなに好かれるんだ……？
ごろごろ、気持ち良さそうにする猫達。
完全にリラックスして体も伸びている。
篠さんの視線は完全に猫達。
……いいな。
…いいなって何が！？猫達に好かれてるのが！？篠さんに撫でられてるのが！？見られてるのが！？
…………いや、きっと全部なんだろうな。
ここに来たからには猫達と仲良くなりたいのは勿論。
彼の手で触れて欲しい、その眠そうな目でわたしを見て欲しい。
いつからこんなに欲しがりになってしまったんだろう。
「……ん、……さん、Aさん！」
『え、あ、はい！』
「えらいぼーっとしてましたけど、大丈夫です？」
『大丈夫です！すみません！』
急に声を掛けられてびっくりしてしまった、びっくりしたけど、嬉しかった。
ちゃんとわたしの事見てくれるんだなって、呼んでくれるんだなって。
でも、触れるまでは至らない。
歩く時だって一定の距離があるし、デートだなんて言ってくれたのは冗談だったのだろうか、揶揄いだったのだろうか。
あ〜、ダメだ！こんな事考えては止まらない。
折角誘ってくれたのに、連れてきてくれたのに。
こんな事1度忘れて、今日を楽しむ事にしよう。
『あの。』
「はい。」
『猫の手懐け方教えてください。』
「ええ…とりあえずじゃあ、遊んでみます？」
そう言った彼の手には猫じゃらし。
既に周りの猫達は 遊んでくれるの？ と期待の目。
受け取ってふよふよと揺らす。
その動きに合わせて猫達の視線も動く。
右へひらり、猫達の首もゆらり。
左へひらり、猫達の首もゆらり。
すっと引けば猫達は一斉に身を縮める。
これは、たのしい。
勢いよく猫じゃらしを床へ滑らせれば2,3匹の猫がそれを目掛けてダダダダーッ！と走り出した。
『おお！』
見てください！と篠さんの方を向けば彼はスマホを構えてくつくつと笑っていた。
「っふふ、ほんと楽しそうにしますね。」
ピコン、彼の手元からそんな音。
もしかして、その音は、
『ど、動画撮ってましたね…！？』
「さあ？」
『さあじゃないです！ちょっと、消してください！ねえ！』
「ダメです、保護しました、ダメです。」
いつの間にか猫達は解散してて、わたし達2人が静かにわーわーしてるだけの空間が出来上がっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 274人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
NPC(プロフ) - 木ノ葉紫苑さん» はじめまして、コメントありがとうございます。番外編を書くつもりではいますがまだなにも準備をしていないのでしばしお待ち頂ければと思います。 (2019年11月22日 14時) (
レス) id: b53827df86 (このIDを非表示/違反報告)
木ノ葉紫苑(プロフ) - コメント失礼します。shpくんはカッコイイし夢主は可愛いしで胸をキュンキュンさせながら何回も読んでいました。完結してしまったのが悲しいくらいです。もしよろしければ番外編など書いてもらえないでしょうか・・・？もっと二人の話を見てみたいです！ (2019年11月22日 9時) (レス) id: 1356d40d0e (このIDを非表示/違反報告)
NPC(プロフ) - ルリさん» はじめまして、コメントありがとうございます。格好良いshpさんが書けているようで安心しました！鈍足更新になりますがよろしくお願いします。 (2019年7月24日 6時) (レス) id: ef536ebeda (このIDを非表示/違反報告)
NPC(プロフ) - 咲羽さん» はじめまして、コメントありがとうございます。一個人の想像でときめいて下さってるなら嬉しいです！鈍足更新になりますがよろしくお願いします。 (2019年7月24日 5時) (レス) id: ef536ebeda (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - コメント失礼致します。控えめに言いますね。shqくーん！！！！イケメンだよぉぉぉお！さりげなく誘うとかかっこよすぎだろぉおい！やばいって！ｺﾞﾎﾝえっと、とっても好きです。これからも頑張ってください！ファンでs((殴 (2019年7月23日 22時) (レス) id: 8cc938a036 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
