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「ハァ…忘れとった…お師さんよりA姉ぇの方がスパルタやった…」
『そこ、ゼロコンマ一秒遅いよ!動きに頭が行きがちだから少し早さ意識してみてね』
「影片、僕がいつも言っているだろう」
『宗は完璧だね、さすがだよ』
「フンッ!当たり前なのだよ」
私のプロデュースは、その人の限界ギリギリを見極めて作っている。
とは言っても、この学院でついてこれるのはこの二人と五奇人の皆くらいだ。
『少し休憩しよっか!』
「大変やけど、やっぱりA姉ぇのレッスンは大好きや」
「それは僕に対する嫌味かね」
「ちっ違う!お師さんのレッスンも大好きやで!」
「黙って休みたまえ、影片」
『ふふっ』
「どうしたん?A姉ぇ」
一年でこんなに変わったんだって。
なずなくんが抜けたと聞いて心配したけど、宗がこんな冗談言えるくらいみかに心を開いてるんだって。
『それが嬉しいの。ちょっと妬いちゃうくらい』
「A姉ぇにはそんな風に見えるんか?」
「眼科に行きたまえ。見る目が可笑しいのだよ」
一年前には気づけなかった景色。
明らかに関係性が変わっている。
戻ってきて、本当に良かった。
『二人にまだ言ってなかったんだけど』
「?」
『今回のライブで、私が曲を作るから』
「A姉ぇが?」
『って言っても、作曲は頼んで私は作詞だけなんだけど…。それが天祥院からの条件だったの』
「そうなんやぁ…なんか楽しみやなぁ!」
作詞なんて、初めてで
私が書くことに、天祥院は何の意味を感じているの?
私を試しているのか。
それとも、ただの遊びか。
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作者名:咲那 | 作成日時:2019年4月1日 22時