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「今度、Valkyrieにライブを開いてもらう。もちろん、Aちゃんのプロデュースで
Valkyrieの活動資金は底をついているようじゃないか。その成果によっては活動資金を援助しよう」
『だそうです』
学校に到着後、早々に言われた。
最近、天祥院によく会う気がする。嬉しくない。
「ノンッ!そんなもの必要ないのだよ!」
「でもお金がないのは事実やで?」
「天祥院の言いなりにはなりたくないのだよ!」
何故、このタイミングで天祥院がこの話を持ちかけてきたのかはわからない。
天祥院はどちらかと言えばValkyrieの敵。こちらを援助して意味はない。
何を企んでいるの…?
『私はやりたい』
「…ッ!?意味がわからないのだよ」
『天祥院が何を考えているのかはわからないけど、これは私の名誉挽回のチャンスなの』
何もせず、元に戻れるなんて思ってない。
もしこのライブを経て、今のValkyrieに私の力が必要じゃないと言うのなら、専属を外してもらって構わないから。
『お願い、します』
「…A姉ぇ。お師さん、俺からもお願いや」
「…好きにしたまえ」
『!!』
宗が、こういう時は同意の合図。
『ありがとう!』
「言っておくが、これまでValkyrieのレッスンは僕が担当していた。妥協は許さないのだよ」
「A姉ぇのレッスン、楽しみにしとるで!」
『うん!』
期待に応えたい。
これが最初で最後のチャンス。
失敗は許されない。
高貴で格式高いValkyrieに似合うステージを。
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作者名:咲那 | 作成日時:2019年4月1日 22時