囚われのお姫様【斎宮宗】 (ページ3)

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放課後、私の目の前に鳩が飛び出した。

こんなことをするのは一人しかいない。

『…渉でしょ』

「当たりです☆お久しぶりですねぇ、Aさん」

『久しぶり。相変わらず奇天烈な仮面だね』

「衣装ですから☆今度、私の所属するfineのプロデュースもやっていただきたい！」

先程、先生に今の夢ノ咲の現状を聞いた。

渉が"fine"に入ったと聞いたときは驚いたけど。

「なんて。貴女は"Valkyrie"の専属プロデューサーですからねぇ」

『……………』

「こんな話より、もっと聞きたい話があるのでしょう？宗くんのこととか」

『…宗は元気にしてる？』

「そうですねぇ…貴女が消え、Valkyrieが負け、仁兎くんが消えたくさんの傷を負い立ち直るのに時間はかかったようですが、なんとかやっていますよ」

『…そっか』

私が傍にいるべきだったのにね。

宗の性格は、一番わかっているはずなのに。

「きっと"彼"のおかげでしょうね。ほら、来ましたよ」

『え？』

ドタドタと大きな音が教室に近づいてくる。

勢いよく開かれるドア。

私と目があった彼は

泣きそうな、嬉しそうな、そんな顔でこちらに走ってくる。

「A姉ぇ！」

『…みか…』

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