▽18 ページ19
.
「あっ、A姉ぇ!」
お昼休み、食堂へ行くとみかの姿が。
一緒にいるのは、お友達のなるちゃんだ。
おーい!と手を降っているみかはとても可愛い
『一緒に食べてもいい?』
「もちろんやで!」
「Aちゃんなら大歓迎よ♪」
人見知りのみかが唯一心を開いているのはなるちゃんだ。
みか繋がりで、こうしてたまに話している。
「それでねっ、椚先生を落とすにはどうすればいいのかしら?」
『…?どういうこと?』
「なるちゃんはな、椚先生のことが好きやねん」
「うふふ、そうなのよ♪Aちゃんもカッコいいと思わない?」
『そうだね?』
正直、椚先生とはあまり関わったことがない。
何度か他の生徒に怒っている姿は目撃しているが。
『いいね、恋する乙女って感じ!』
「やだ、恋する乙女だなんて♪Aちゃんはどうなの?」
『へ?』
「好きな人、いないの?」
『いやいやいや、いないよ!』
「え、そうなん?」
『うん!』
「てっきり、お師さんのことが好きなんやと思ってたわぁ」
『…え、』
「こないだのA姉ぇが書いた歌も、Valkyrieっていうより、お師さんに捧げた歌やと思っとったわ。違うん?」
『ちっちちちちちち違うよ!!!!』
ついうっかりまだ一口くらいしか食べてないカレーを引っくり返してしまった。
焦ってるとかじゃないよ?変なこと言われて驚いただけだし…。
「あら、怪しいわねぇ」
『……』
「三人だけの秘密にするから、本当のこと教えてくれてもいいんじゃない?」
「A姉ぇ?」
『好きというか…私の場合は嫉妬を拗らせたというか…』
「それはもう、好きってことじゃない?」
『………』
「よくわからんけど、俺から見たA姉ぇは、お師さんのことを目で追っとったよ」
『…うん』
みか達に私の過去を話した時点で、その結論に追いつくんじゃないか?とは思っていたけれど。
だって正直、あんなの宗に対するただの嫉妬だったよね。恥ずかしい。
「いいじゃない、幼馴染との恋♪応援するわよ♪」
『…無理だよ』
「そんなのわからないじゃない?」
だって、宗は"アイドル"なんだもん。
彼の性格からして、恋愛事なんてもっての他だ。
彼はそういうことに全く興味がない。
.
52人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:咲那 | 作成日時:2019年4月1日 22時