作者達が迷い込む町 3 【小説】 (ページ20)

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なんてこった【もやし好きのもやし】ページ20

クソ…クソクソ…なんだって私がこんな所で一人寂しく立ってなきゃいけないんだよ…
私が一体何をしたって言うんだ…

＿＿＿＿＿＿＿＿＿ガサッ

「はぺッ…？！」

誰かいる…のか？
出会うとしたら人間か動物かの二択だけども…
そういや、さっき馬鹿でかい足跡があっ…

「…マジ？」

え、何ですかこれ私もう死ぬフラグ？
いや…まだだ、まだ終わらんよ！！
神は言っている、ここで死ぬ運命ではないと…ッ！

「とりあえず武器を探そう…」

ブラックホールリュックの中を適当に漁り、武器になりそうなものを探す。
だが、成果はほぼ無し。
いっそのこと最初何故か入っていた小瓶やフラスコを投げつけようと考えた時だった。
下の方に小さなメモ用紙が入っている事に気がつく。

「あ？…何これ？」

メモを取り出すと、どうやら小瓶についての使い方が記してあるようだった。
手順はこうだ。
【小瓶かフラスコに水を入れる→使いたい化学薬品や毒物の名前と性質を頭の中に浮かべる→使用する】
全国の科学者もびっくりぽんの便利用品じゃねぇか。
つーか化学薬品とか毒物とかの知識なんてそんなに無いし…

「…硫酸」

まぁ、物は試しだ。
一応誰でも知ってそうな薬品を思い浮かべ、近くの葉っぱから垂れていた雨水を小瓶に入れる。
サ○イコブレイクのあの罠…金庫野郎と板挟みにされて何度死んだことか。
あれなら想像しやすい(私が)

「こんなんで本当にいいのかな…」

試しに小瓶を傾けて近くの花に中の液体をかけてみる。
すると、瞬く間に花が溶け出し、嫌な臭いが鼻をついた。

「本物かよ…」

目を丸くして驚いている間に、すぐ近くに人の気配が迫る。
足音もどんどん近くなってるし。
とりあえず地面に寝てたせいで汚くなったパーカーを脱いで、代わりにリュックに入っていた白衣を羽織る。
第一印象は見た目でほぼ決まるって言うし…初対面ならなおさらだよなって事で。
相手が巨大な動物か何かでなく、人間ならの話だけど。
薬品で攻撃したら、最悪相手を死なせてしまうかもしれない。
けど…拳で抵抗してこっちが死ぬのも嫌だし…
腕力クソザコナメクジだから、対人戦で殴り合ったとしても完全に私が負けるに決まってる。

「く、くそ…本当に私が何をしたってんだよ…」

もし、もし神がいるならこんなクソみたいな展開にした神を一生…
いや、死んでも恨んでやる…

「だ、誰かいるんですか…？！」

私は勇気を振り絞って迫り来る''ナニカ''に声をかけた。