作者達が迷い込む町 2 【小説】 (ページ34)

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何もやることがない　白雪の鴉亭ページ34

町探索から帰ってきた私は居間のソファーに寝転がり天井を見上げていた。
　正直に言おう。

　何もやることがない。

　故に、暇なのだ。
　グランディ？さん……だったか？彼女から聞いた話によると「何しても怒られない、何しても良い夜の町。怪夜町だよ」と言っていた。
　いや、酷くね？ルールの一つや二つが無い。一歩間違えれば最悪犯罪者の溜まり場になるぞ……否……既に無法地帯と化しているか……。
　結構最悪の事態じゃないのかね？物凄く私の住んでいた町に帰りたい。今直ぐに。直ぐにでも。
　そして、ふと思ってしまった。
　この町の謎を解くとかさ大量のモンスターを倒しそのボスも倒して平和にするとか目的要素が有る様で無い様な……そんな気がした。
　目的があればその通りに動く、無ければ皆適当に活動をするであろう。
　故に、厄介だ。
　『何しようとも怒られない=何しても大丈夫』と言うのが言葉の圧力云々で伝わってくる。『何しようとも怒られない』がパワーワード過ぎてその認知がヤバすぎて、もう既にヤバイ。

　あっ、ヤバイ。哲学の域に入りすぎて語彙力が低下してきたぞぅ……！
　私は二度と寝返りをうつとそのまま真っ暗なテレビを凝視する。
　真っ黒の画面には物凄い形相で寝転がる私とソファの近くで丸まって寝ている太郎の姿が映っていた。

────非常に不細工。

　そして、非常にナンセンスだ。
　正直に何でもしてて良いのならばずっと寝てる。しかし、それでは全くもって楽しく無いし愉しく無い。
　私は気晴らしにテレビのリモコンを重力で浮かせて風力で風を起こしこちらへ持ってくる。

　ピッとテレビをつける。そこには怪夜町のニュースではなく日本全国、いつもお茶の間でやっている某ニュース番組がやっていた。

　変わらないニュース。淡々と伝えられるニュース。しかし、私は疑問に思った。

　私達が行方不明になったニュースが無い。

　警察が秘密裏に探しているか、親が捜索願いを出してないかそれとも何か別の因果が引っ掛かるのか……。

　あ……もうダメだ。頭がショートしそう。取り合えず、私はテレビをつけたままソファの背もたれの方を見て寝た。

　つまり、私は寝ることによって現実逃避をするという行動に出た。

　友達(相棒)がいたらこう言うだろうなぁ……。

「実にナンセンスだね。この馬鹿野郎」と。