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微睡んで、醒めた。 偽物 ページ33

ぶくぶく、ぶくぶく。

沈んでいって、何かが詰まって、流れ出す。

ぶくぶく、ぶくぶく。

溢れて、薄れて、また沈んでいく。

ぶくり。

さあ、その目を開けて。


【――生きて!】


「誰っ!?」

体を起き上がらせると、水のような液体が勢いよく撥ねて濡れていた下半身を更に水浸しにする。
ざぱんっと音を立てたそれがあまりにも奇妙だったけれど、私の意識が別のものを警戒せよ、と告げる。
周囲を見渡してみると、そこは闇に覆われていて、穴でもあるかのように思えた。
上を見上げると、空は鈍色に曇り、というより黒に閉ざされたというべきか、夜がそこにあった。

「あたしは……」

そこまで呟いて、やっと気づく。

「誰……?」

コツン。

パチャ。

背後から靴の音と、水たまりを歩く音が聞こえて振り向くと、そこには老婆か、老爺か。
判断のつかぬしわだらけで腰のひん曲がった人物が杖をついてこちらを見つめている。

「お前さん、一人か」

「あなたは?」

そう聞かれてその人物はにたぁ、と微笑みこう告げた。

「たった一人、ここに残ったのじゃ。お前さんはまだ若い。さっさと安全な道へゆきなさい」

と、簡潔な内容の地図とカンテラを手渡される。
それを受け取って、

「おじいさん、ありが――」

礼を言うために前を向くと、そこにはもう誰もいなかった。
奇妙な違和感を感じるも、私の意識は地図を見ろと囁く。
それに従って地図を覗き込むと赤丸で記された場所と、ここからの道を示す線が書かれてあった。
これにも嫌な予感を感じるが、しかしそれ以上に赤丸へ行かねばならない気がしてとりあえず立ち上がる。
なぜなら。

「行かないと、いけない。そこに確かにあたし(本物)がいる……!」

確証はないけれど、そんな事実を忘れている気がしてならないから。

パチャ、パチャ、ぺち、パチャ、ぐちゅ、パチャ。

水たまりとそうでない固められた土の部分を歩く。
先はまだ見えない。

何もやることがない 白雪の鴉亭→←目覚め 暁月



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グランディ(プロフ) - 続編完成しました〜ありがたや (2019年6月16日 15時) (レス) id: 12bfae36c2 (このIDを非表示/違反報告)
澪 -rei-(プロフ) - 更新しました! (2019年6月16日 15時) (レス) id: 72f8d10893 (このIDを非表示/違反報告)
澪 -rei-(プロフ) - 更新します! (2019年6月16日 13時) (レス) id: 72f8d10893 (このIDを非表示/違反報告)
Na(ナトリウム)(プロフ) - 終わりました! (2019年6月16日 13時) (レス) id: d4cffa305a (このIDを非表示/違反報告)
Na(ナトリウム)(プロフ) - 更新します! (2019年6月16日 12時) (レス) id: d4cffa305a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:グランディ x他10人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年6月1日 23時

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